アドベンチャーランド中竜 その10

バスが15分ごとにやってくるので乗り過ごしても又次の車両をここで待つ事ができます。
このロータリーの水銀灯を眺めながら
ここが閉鎖された時に展示物に向けられていたライトが全て消灯して
通路の電気も消されて真っ暗な空間になることを思うと怖いというより寂しく思いました。

帰りのバスが来たので乗り込みました。
地上に向けてマイン号が走り出します。

坑道から出てきたところです。
昨年まではここで選鉱場が出迎えてくれました。

最後の地底探検から帰ってきた私の目の前にあるのは
整地された選鉱場の跡地です。
地下に入っている間に又降り出した雨
最後のマイン号
最後の地底探検
これでお別れなんだと思うとぽろぽろ涙が出てきました。
マイン号の降り場から売店に戻ると従業員の方が笑顔で迎えてくれました。
「何度も来て下さってましたよね」
2001年から何度もここに通っていました。
従業員の中に私を覚えていてくださった方がおられたのです。
ここで涙と鼻水が止まらなくなってしまいました。
「今日で最後という事ですが閉園式は予定されているのでしょうか」
「いいえ。そういうものをしようかという話もあったのですが
いつものようにはじめていつものように終わろうという事に
皆で話し合って決まったんですよ」
いつものように終わろう
毎年、雪が降り積もる前に扉をしめて春までお別れしたように
最後の日も静かに扉を閉じて
そしてお別れを言おうと
皆で話し合って決めたのならそれが一番です。

そして私が売店から駐車場の方に出たときです。
とても低い場所にはっきりと虹が出ていたのです。
高い場所に現れず
ここにいる人のために用意されたような
本当に低い場所に出ていた虹でした。
色も美しく欠けることも無く
どうぞくぐってくださいといわんばかりの虹でした。

最後の日は雨の朝で始まりました。
少しずつ陽が差して雨と晴れ間が交錯し虹まで見せてくれました。

冬の訪れを前にしてアドベンチャーランド中竜は閉園を迎えました。
大好きだった場所が又ひとつなくなってしまいます。
マイン号の中の音声ガイドが最後に「又のお越しをお待ちしています」と締めくくります。
今日はそれを耳にしたときとても悲しかったのです。
ただ、私が帰るときに従業員の方が
「又きてくださいね」
と声をかけてくださいました。
“アドベンチャーランド中竜は今日でおしまいですがこの村に又来てください”
その声に素直に答えが出ました。
「はい!又来ます」
福井県のはずれ大野市和泉村
ここに地底探検のテーマパークがありました。