五代松鉱山 最後の冬 その12

事務所とお風呂と坑道の高さからゆっくり降ります。


杉林の中で転がるトロッコ。
脱線転覆状態です。


この台車たちも工事の時には片付けられてしまうのでしょう。

道路の方で工事現場の車両が働き出す音がしています。
お邪魔になってはいけないので慌てて降ります。


夏に見た時にはまさかこの冬で無くなってしまうなんて
思いもしなかったのに..。


誰からも思い出されずに地元の人からも半ば忘れ去られた
地方鉱山は沢山あります。ここは珍しい鉱物が取れるという事で
日本中からマニアが訪れていた場所です。

きっと、閉山してからも人通りが絶えることはなかったのでしょう。

これからも、取り壊された後も訪れる人はいるでしょう。

硫化鉄を掘っていたこの鉱山というより
珍しい日本式双昌の産地として記憶されることでしょう。


道路から見上げると、晴れ間の下で
ただ撤去されるのを待つ廃墟が静かに佇んでいました。