五代松鉱山 最後の冬 その8
危険極まりない放置坑道です。
一体何年放置されているのでしょう。

坑口は他の大きな鉱山で見てきたような頑丈な扉もなく
コンクリートで完全に塞がれているわけでもなく
ぽっかりと口をあけていました。

足元でバキバキ音がするので吃驚して見ると
大量の霜柱でした。日が昇れば泥濘と化すでしょう。

坑口にぶら下がっている小さな札には赤い文字で
「立入禁止」とありました。この札一つをかけていても
鉱石探しに来る人には効き目はないでしょう。
そのくらいここのハート型水晶は有名なのです。
この中に入る人はまず居ないと思いますが
もしかしたら居るのかもしれません。

崩れた屋根と押しつぶされたコンベア。
仕方なく放置された事はわかります。
誰だって大事な職場がこんな風になっていくのを
見たくないと思います。
人それぞれですが、荒れて惨めに潰れていくのをいつまでも
目にするくらいならいっそ綺麗に更地にされてしまえば
すっきりすると思う人も居ると思います。
でも諦め切れずに建物に残って欲しいと思う人も居ると思います。
幾つもの鉱山施設で錆とバクテリアに侵食されるのだけを
待っている姿を見てきました。
働いている姿が一番かっこいいんだと思います。

坑道を覗くことは流石に躊躇われましたので
足元もかなり悪いことも在ってここまでにしました。