ふるさと明延祭り その3


奥へ進んで行くと上に大きく伸びる空間が現れました。
20mの高さのある鉱脈跡です。

「この場所も当時のままです。
岩盤が安定していないとこういう見せ方はできないですね」

あちこちで観光行動を見てきましたが確かにこういう空間は
フェンスやネットで仕切られていいて間近で見ることができるところはなかったように思います。

必死で撮ろうとしましたが三脚がなかったのでとにかく全然撮れない坑内。


鉱石を鉱車に積み込む所です。
発破をかけて採掘した鉱石が貯められる井戸の底の開け口。

「映像でこの部分を見るとこの板一枚でどうやって
鉱石を止めたり出したりできるのかと不思議で仕方がないんです。
盛り凄い質量の物がどーっと落ちてくるわけでしょう?」
「(笑)やっぱりコツがありましてこう滑らせるように板を入れて止めるんですよ」

流れてくる鉱石の上から斜めに撫でるように板を滑らせて止めるらしいです。
説明をもらいましたが想像するだけで腕が一本とんで行きそうな気がして怖い怖い。


坑道の分岐。

とにかく写真が9割ぶれていたので使える写真が無いのが悲しい。


温度計がありました。
気温14度
湿度85%(位)

坑内のスペースの一部は地元の日本酒の熟成も行われています。

一通り見学させていただいた後、明延自然学校に戻りました。
そこでさらに明延鉱山のお話を聞かせて頂きました。

「大仙選鉱場が撤去されるのはもう間違いないのですか」
「そうですね」
「貴重な産業遺構なのに仕方がないんですね」
「建物ですから放っておけば自然に朽ちて行きます。
でもわざわざ撤去しなくてはいけない事態になったのは
やっぱり最近、インターネットで入ったという事を
いろんな人が公開しているからですね」
「・・・私もその一人ですね」
「静かに朽ちて行ってくれたら問題ないのですが入る人がいる。
入ったことをインターネットで公開する。
それが本社の目にとまる。
そうしたら管理しきれていないじゃないかと言われます。
管理しきれないのなら会社としては撤去しなくてはならなくなるという事です」

はっきりと

産業遺構に侵入していた人のせいで鉱山施設は撤去されるのだと言われました。

「そんなにしょげないで(笑)今度ちょっとイベントを考えてるんですよ。
また来てください」

落ち込んだ私を慰めてくださる方にお礼を述べて
この日は引き揚げました。


いきなり初めての明延の坑道見学を出来たことが嬉しく
その後、色々と情報を探っていた時にwebニュースと新聞で同時に
明延の記事を見つけました。

“22年ぷりに一円電車復活”

明延ーっ!!

新聞記事を見るなり絶叫して家族のひんしゅくを買う。

どういうイベントが告知されていたかというと
一円電車が実際に運転されるという事が主で
鉄道マニア向けの内容でした。

これは・・・
行かねば

あ、でもこの日は夜勤明け

居眠りしないで明延までいけるかな・・・

当日まで体調を心配しつつ
けどやっぱり行くことにしました。

閉山20年目の今年

記念イベントをやりたいとおっしっゃていた明延の皆様の顔が頭にありました。

高速飛ばしてやってきました。
そして普段は人の姿を見ることも少なくなってしまった明延に
物凄い車と人が押し寄せているのに吃驚しました。