明延鉱山 錫の行方 その8


パーツに傷をつけてもらっているところです。
バトルダメージのような傷を入れてくださいとお願いしたので。


少し引き伸ばしてパターンを入れてもらっているところです。
錫は軟らかいので模様入りハンマーなどで叩くと容易に模様が入ります。


そしてペンダント紐を通す穴をあけてもらっているところです。
驚いたのは音です。
殆どドリルのモーター音しか聞こえないのです。

ちゅいーん! と金属を削る音がするかと思っていたのですが
すーっと削れていくのには本当に吃驚。

この部屋で一番やかましいのは
錫のかけらにパターンを打たせてもらって
はしゃいで喋り捲る私でした。


そして完成しました。
金属滴風のペンダントトップです。7個つなぎ。
私の希望で不純物大目の濁った色に仕上げていただきました。


そして我侭言い過ぎの極み。
社長に鋳造作業を見せてくださいとお願いいたしました。

セメントの鋳型を暖めて
レードルに砥粉を塗って
錫のお鍋をぐつぐつ煮立たせて
すいっと錫をすくっては
鋳型にぴたりと流し込んでいかれます

あまりにもあっさりと作業を進めて
ぐい飲みをぽんぽんと作っていかれる
その技の凄さと速さに口あんぐり。


一番お気に入り。
錫のお鍋。
モチーフとしてとても魅力的でした。

会社の方にお礼を述べて
おみやげに凄く可愛いえくぼのついた梨地の
「かたくち」と「ぐいのみ」を買ってこの日の見学は終了しました。
 

帰り道
錫のペンダントを早速、首にかけて
握り締めながら明延の事を考えていました。

 

錫はとてもデリケートで
錫はとても美しい金属です

その錫の選鉱を行なっていた神子畑選鉱場が姿を消して一年。

私の中にはまだあの選鉱場の大屋根が在ります。

 

神子畑選鉱場をずっと見てきた人
写真に記録しつづけた人
明延で鉱山町の繁栄を知っていた人
その面影を追っている人

 

明延鉱山を知る人と
神子畑選鉱場を知る人と
一人でも多く言葉を交わしたいと思いました。

 

明延鉱山と縁の深い錫の伝統工芸士の方に
明延に縁の方から頂いた錫でペンダントを作っていただきました。

こんど明延を訪れたら錫を下さった方に
このエピソードをお話しようと思います。