桜 大阪 2006  まずは造幣局へ

桜の季節になると毎年、どこの桜を見に行こうかと思案します。

あちこちの名勝の桜を見ましたが印象深かった桜といえば
岐阜県根尾村の薄墨桜と奈良県桜井市の長谷寺の桜です。
根尾の薄墨桜は観光整備される前の方が素敵でした。
長谷寺の桜は背後の山から寺の入り口まで問答無用の迫力です。

大阪では万博公園か大阪城西の丸が花見の名所ですが
それより凄い別格の桜があります。
それは『造幣局の通り抜け』です。

造幣局には10数年前に一度、夜桜を見に行ったことがありますが
そのときの印象はというと“二度と来たくない”というものでした。
なぜかといえば桜が見えないほどの物凄い人出のせいでした。
造幣局は夜桜の客の方が多いスポットなのです。

桜の季節になる前に種類を色々調べていました。
その時に『思川(おもいがわ)』という素敵な名前の桜を見つけました。

思川 思い川
なんか すごく 素敵な名前だなぁ
一重の桜かなぁ
清楚な白かなぁ

と、名前で妄想を膨らませつつこの『思川』という桜が見られる場所を探しました。

すると

造幣局に一本だけある ということが判りました。

・・・ぞうへいきょく

あ、あの人出の中に出かける勇気は..
いやまて
愛・地球博に行った経験を生かすんだ
経験値は上がっているはずだ
人酔いは克服できているはずだ

『思川』の為に行っちゃおう

と、本人なりに逡巡の末、決意しました。

事前調査。
 造幣局は昼間が一番人出が少ない
 造幣局は八重桜が主体
 造幣局はほかで見られない凄い桜コレクションを持っている
 以前痛い目を見た場所は通り抜けから下りていく川沿いの公園の方らしい

『思川』のほかに『笹部桜』『水晶』『鬱金』をターゲットにする事にして
それらが植えられているポイントを造幣局のwebでチェックして地図を作り
準備万端で迎えた『造幣局の通り抜け』初日です。


地下鉄堺筋線南森町駅から徒歩でてくてく歩きます。
小雨がぱらつくあいにくのお天気。
でも花の写真を撮るのは薄曇ぐらいが一番綺麗に色が出るし
雨上がりでぬれた花びらは風流なはず。


造幣局の敷地沿いを歩くと門扉の横に出てきました。
『通り抜け』は一方通行です。
この場所は北門なのでぐるっと800mほど歩いて南門に移動しないと入れません。


説明板です。
フォントも書き方も硬い。


開門前なので慌てず川沿いから造幣局の桜を見ようと移動します。
見えるのは川沿いの桜ノ宮公園の桜ばっかりでした。


晴れていたらなかなか綺麗だと思います。
左手にそびえているのはクリスタルタワー。
中央右寄りには小さく大阪城も見えています。


公園の桜はほとんどが染井吉野です。
こちらはすでに満開で昨日からの雨で花びらもかなり落ちていました。

800m歩いて南門に移動します。

開門は10時。
しかしこの時はまだ9時過ぎでした。

南門に着くとすでに物凄い行列ができていました。
その最後尾に行こうとしたらその行列は『記念硬貨』を入手するための列でした。
花見の人は門の前に進んでくださいと言われて移動したところ
観光客の団体がすでに3つ以上ひしめいていました。

そのとき、団体客は道の端によってくださいという警備員の方の指導があり
偶然その時間に辿り着いただけの自分が門の前の
一番先頭に並ぶということになってしまいました。


開門前。
後ろにどんどん人が並んでいくのが背中に伝わってくるので怖くて振り向けない。
一番前ってこんなに緊張するものなのか(汗)。

門の中では着々と準備が進んでいきます。
TVや新聞社の報道関係の人たちは一足先に入って撮影しています。

そしてふと一番近いところにある桜の名札を見ると
『水晶』でした。

おぉ!
これが水晶か。
でも全然咲いてないやん

と、見たかった一本が待ち時間ですでに候補から脱落。
 


人手が増えるに従いどんどん増える警備員さんたち。

「10時に開門しますが
開門してもすぐに進まないでください
門のレールにハイヒールの方などが靴をはさんでしまわないように
鉄の板を設置します
その設置が終わって進んでくださいと申し上げるまで
歩き出さないでくださーい」

何度も何度もこのアナウンスが繰り返されました。

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