鎧ダム見学 その2

アスファルトの道をひたすら歩きます。道の横には天神川、その向こうには
岩肌がのぞく荒れた山が連なっています。ここは奈良時代から続いた森林
伐採の跡地なのです。

足尾鉱山でも書きましたが、この地は昔から豊富な樹木を寺院建築などの
ために切り出されてきた山でした。川を使って大阪、奈良に材木を運搬しや
すかったからです。地図を見ればその至便性はすぐわかると思います。

樹木を失った山は保水力を失い、土砂が流出し、容易に山火事を起こし、
岩盤が雨に晒されて崩れていきます。そして土砂は沢筋に落ちていき、
川を堰き止め洪水を起こします。洪水には至らなくても保水力のある山の
数倍早く土砂が流出していく事で、川下には常に砂が押し寄せ、天井川が
形成されていきます。

底の浅い川。それはすなわちすぐに洪水を起こす川です。


道路の脇にはいたるところに砂防ダムが埋葬されています。
現在の道に真横から交わるように沢筋があったことを示しています。
造っては埋まり、造っては埋まり...。砂防ダムは土砂をせき止めて
役割を終えます。この山にはいくつの堰堤が埋まっているのでしょう。


しばらく歩いてやっとハイキング地図看板が現れました。
平坦な道はここまでです。この後は、ぷち登山になる様子。


ぷち登山.....。これが道??
本格的な登山装備はいりませんが、歩きやすい靴は必須です。

 
しばらく登るとまた新しい堰堤が現れました。かなり大きくて新しいものです。
「迎不動堰堤」という名前でした。鎧ダムと同じように石積みで綺麗な形を
しています。登ってきた道を見下ろすと...。かなり急峻です。


でももうこんなに砂がたまっています。平成12年に作られたばかりなのに。