旧八百津発電所遺構 見学 その5

順路をたどって二階に上がってきました。

水車や発電機の搬入路の大きな扉が見えています。

天井に近いのでこんな碍子のならんだ様子も写真に収めることができました。

発電所と上部水槽の位置を示した地図です。

満水になって余水路にオーバーフローしている上部水槽の写真がありました。
実に美しい。
そしてこの時はちゃんと制水門が8つある様子(7つしか写っていませんが)

放水口発電所についての説明です。
国内の水力発電黎明期に於いて高落差で水車を回すことには
事例も増えて技術が確立され始めてきた当時
八百津発電所の放水口発電所は低落差であり
それに適した水車之開発がいかに困難であったかが
この説明でうかがえました。

今だったら
低落差大水量ならカプラン水車、チューブ水車
どのレンジでも汎用性が高いのがフランシス水車
高落差小水量ならペルトン水車
低落差、小水量ならクロスフロー水車
というように選択肢がありますが
当時はなかったので独自に開発された“国内に類例がない”
特殊な水車がここに備え付けられたのです。

ちらりと見えている赤い部分が水車になります。
“横軸露出式對放水四聯フランシス型水車
4臺1組、計2組
1800hp
使用水量 26.43m3/s
日立製作所製”

説明文を読んで
どれだけこの発電所には
日本の水力発電の黎明期の
数々のエピソードが詰まっているのだろうと
感動してしまいます。

竣功時から大きな堰堤を設けなかったことで
堰堤が関わるに伴うトラブルは逆に皆無だったという八百津発電所。
でも上流に大井発電所が出来たことで水路式であるが故の影響が出て
使用水量に影響を受けたというエピソードもあります。
でもそんな時でも低落差小水量で稼働していた
放水口発電所は影響をほとんど受けなかったといいます。

こんなに貴重な水力発電を学べるところはそうありません。
他では見られない貴重な物がこの美しい空間にいっぱい詰まっているのです。
耐震化が難しいために閉館となってしまったことがとても悲しいです。

旧・八百津発電所遺構。
資料館には入れなくても近くまでは行くことができ
外観を愛でることはできます。
明治・大正期、各地でここと同じように
個性的な水力発電所が生まれては消え
あるいは改修され
建屋を残すだけとなっているところもあります。
ここには今しかない景色があります。
あと数年で変わる景色もあります。
八百津に来たら
丸山ダムと新丸山ダムに会いに来たら
ここにも立ち寄ってほしいと思います。