旧八百津発電所遺構 見学 その1

2021/4/21 更新


丸山発電所周辺を見た後にやってきたのは
旧・八百津発電所です。


壁面には「名古屋電力株式会社」の文字があります。

旧・八百津発電所は国指定重要文化財で資料館として保存されており
以前は内部見学もできたのですが2018年(平成30年)末で閉館しました。

耐震化が出来ていない事が閉館の理由でした。
各地の産業遺構も同じように耐震、安全確保が困難という理由で
公開されていないところはたくさんあります。


閉館前には各地のダム愛好家も駆けつけ
内部の記録を頑張ってくれていたので
15年以上前に訪問していた自分は仲間の記録に任せて
閉館前には現地入りしませんでした。


旧・八百津発電所のすぐ上流には関西電力丸山発電所です。
水圧鉄管の更新工事が進められています。


丸山発電所入り口に向けて続く道路とその横にある
八百津町B&G海洋センターのパーキングスペース。

途中に橋が架かっています。


蘇畔橋と名前がついています。
この橋が架かっている場所は川ではありません。
水圧鉄管が並んでいた場所です。


山側にある上部水槽から発電所に伸びていた水圧鉄管路の
設置されていた所になります。
現在は鉄管は除却されています。


現地の説明板には八百津発電所の貴重な写真と歴史が記されていました。


これが上部水槽から伸びていた水圧鉄管です。
撤去された跡地に八百津町B&G海洋センターが整備されたようです。


この一帯は諸田公園として整備されていました。
パーキングにトイレがあります。
公園案内図もあります。


バス停・関電前の横に上部水槽への階段があるので
やってきましたが・・・


説明板が倒れていました。
仰向けに。
ちょっと無念な感じ。


説明文はちゃんと読めるので良いのですが。

このすぐ上にある上部水槽の遺構について
貯水槽・余水路という事で説明がありました。

八百津発電所はとても個性的な設計思想が働いていて
取水堰堤を創った方が良い立地なのに
ダム水路式にせず、水路式で竣工しました。

竣工年は1911年(明治44年)ですが
その五上流に発電所が出来たこともあり
1924年(大正13年)に木曽川本川に取水堰堤を設けました。

『日本の発電所 中部日本編』には
“木曽川本流水面下に木製石垣造の假堰堤を設けた”
という記載があります。

残念ながらこの場所は現在は丸山ダムの貯水池の中なので確認はできないようです。


足元注意で滑らないように気を配りながら
上部水槽への階段を上ります。


フェンスに囲まれた上部水槽。
目の前に水圧鉄管への取り入れ口のスルースゲートが。
ラック&ピニオンなのが萌え。