山須原ダム改造工事現場見学 その3
パネルで説明をいただいた後、模型でも説明をいただきました。
これが楽しい。
ぽこぽこパーツが入れ替わってわかりやすくて♪
仮締切はこんな感じで設けられています。
ぽこっとゲート部が取りはずし可能。
完成形と仮締切。SR堰のフラップを少し起こしてもらったところ。
やっぱり模型は楽しい。
分かりやすい。
パネルと模型でお勉強した後はいよいよ現場見学です。
かろうじて雨は降っていなかった。
これが国内最高の高さを誇る仮締切のSR堰。4m。
でっかいわー。ダブルチューブだわー。
扉体の安定度が高いのが特徴。
SR堰についてご存じない方は
「ゴム引布製起伏堰及び鋼製起伏堰(ゴム袋体支持式)のゴム袋体に関する技術資料」をご覧ください。
シングルチューブとダブルチューブの違い、ラバーダムのメンテナンスなどについても詳しく載っています。
とーっても頑丈な仮締切に守られて堤体の切り欠きは進んでいます。
そしてまたこの時代のコンクリートダムにありがちな問題。
コンクリートの品質が良すぎて
頑丈すぎて
カットしていくのが大変な程の固さなんだそうです。
撤去工事が進む荒瀬ダムも現在の基準をはるかに超える堅牢なコンクリートで
撤去はとても大変だと聞いています。
下流をみると急激に川幅が狭まっています。
洪水時、放流時は狭窄部の上流ということで容易に水位上昇があるでしょう。
先ほどT0514災の時の山須原ダムの写真で堤体下流側がかなり水没していたのは
こういう地理的な特徴があるからかおきたのかもしれません。
でもこの時代のダムらしさを感じる部分でもあります。
この狭窄部は自然の減勢工になるのですから。
素晴らしいダムサイトであることの証拠♪
ラジアルゲートの弧を教えてくれる部分。
T0514災の時にスキンプレートが天を向くほどに上げられていた写真を思い出し
本当に目いっぱい、開けられるだけ開けて洪水を流していたのだなと想像。
そしてにゅっと顔を出している給気管。
これは仮締切の上に設けられているSR堰を越流した時に活躍するものです。
袋体が立っている時は上の写真のように扉体に一定間隔で設けられたスポイラーが
水を切り分けて空気の逃げ道を作ります。
水の下に空気があると空気は逃げようとして暴れて色々嫌なことをやらかします。
扉体に動揺を与えることは越流水深にも関りますし設備にも要らない負荷がかかることになります。
負圧も嫌。
なので空気を安全に逃がして行き来できるように最初から道を作っておくことで
安定した挙動が確保されるのです。
これ大事。
天端中央付近からダム湖をみるとこんな感じでした。
水位低め。
幸せ水位ではなく工事水位。