with Dam night 2023 その3

6月末から前線性降雨が続いている中、ひたすら写真を集めて
文献を読みこんで、賢くないけど一生懸命スライド作ってきました。


でも一生懸命やろうが結果が出なけりゃ意味がない。
仕事とおなじ。

一昨年は降雨災害による新幹線の遅延が発生して
京都駅で真っ青になっていたのですが、JR東海様の
迅速な対応でリカバリーして遅刻せずに帝都入りできました。

最近は7月というと梅雨末期の前線性降雨で
一年で一番災害が発生しやすい時期と言われることもあるので
リカバリーが可能なように、鹿の国をほぼ始発で出て帝都入りするべく
新幹線のチケットを確保。

今年はそんな心配をよそに良いお天気でしたのでスムーズに帝都入り。

ダム技術センターに行く前に帝都のお知り合いのお仕事場を
いくつか回って御挨拶をすませました。


ホテルに荷物を置いて不忍池の横を蓮の花を愛でながら
ダム技術センターに向かいます。

何といってもライブや講演の経験値が非常に高い出演者の方々
MCも経験豊富な磯部様ということでなにも心配していない。
なにかあってもリカバリーできる安心。


オープニングでまずカッコイイ動画が流れた後
自分の発表があり、導流と減勢について本日登場するキーワードなどを
混ぜご飯にした発表をさせてもらいました。


続いて萩原雅紀様が各国のダムと洪水吐を紹介。
ファイナルファンタジーダム最高。
スライド写真は著作権の関係でぼかしてます♪


川崎秀明先生が海外の事例紹介を見せてくださって第一部は無事に終了。


第二部は高須修二先生から導流と減勢についての基本の講義を頂き
その流れで事例紹介になりました。

最後には川崎秀明先生から清水沢ダムのお話があり
年初めに現場に行った自分は色々興味が尽きなくてわくわくしていました。

ただ…もっと事例を用意していたけど…
やっぱりこうなる、時間が足りない。

トンネル式洪水吐のお話も聞きたかったなぁ…。

と、嘆いても仕方がないのですが。

当日、お話を聞いていて印象深かったのは小里川ダムの説明でした。

小里川ダムはダムの知識も浅い頃に一度行っただけでした。
その時には全然理解できていなかったことが今なら理解できるので
暑さがましになってからでも再訪せねばという気持ちになりました。


小里川ダム訪問時に見た説明パネルです。

今見ると不思議なのがゲートレスクレストはともかく
オリフィスを常用余水吐、コンジットを常用洪水吐と呼んでいる事。
面白いなと。


非常用洪水吐のゲートレスクレストが右岸側に5門、左岸側に4門ですが
中央のオリフィス、コンジットの常用洪水吐、余水吐の区間にはありません。
そこまでの間にもありません。

高落差になる堤体の中央部分では堤趾導流壁を採用していないのです。

デザインがすごいのでついついそういうデザインなんだろうと思ってしまいがちですが
水の流れは見てくれだけで決められるものではありませんのでちゃんと理由があります。


試験湛水の時の写真も説明パネルの一枚にありました。
クレスト越流はこんな感じだったのです。

さらさら越流で流量は分かりませんが減勢工に到達した水は
全然暴れていません。


ゲートレスクレストから堤趾導流壁までの間に低ーい堤体導流壁っぽい
ものが着けられています。

別にこれは無くても全然問題ない物と思われます。
ある場合、水の流れは美しくなりますが。
これは中央の堤体導流壁と同じでデザイン的要素で設けられたものなのかなと。


堤趾導流壁の内側の段々は水の勢いを殺す目的で
大きさが決まっているだろうから、壁の外側に設けられるフーチングの段々と
段の大きさも数も別だろうと思っていたのですが、施工性から考えたら
当然、揃えるのが有利だよねー、と言われて、思い込みを修正しました。

確かに施工性を考えると壁の向こうとこっちが揃っている方が楽。
また今度見学の時にじっくり見てみよう。


「【ドローン空撮】長安口ダムの放流(徳島・那賀町)/空からとくしま」

導流と減勢ということで、放流動画が一番伝わるのは分かっているので
教材として最適な動画はないかなとweb検索で探しました。

川崎先生が見つけたこの徳島新聞社の「空からとくしま」で紹介されていた
長安口ダムが圧巻!!

魔改造された右岸側は堤趾導流壁にしてはもの凄く大きな段だと
現場で思っていたのですが、放流動画を見て堤趾導流壁じゃなかったーー!!!
と吃驚したのです。


これ、完全に飛ばす計算でデザインされている導流壁だった…。
カッコええ〜♪♪

2019年8月16日撮影、台風10号の接近から一夜明けての様子で
550m3/sの放流中との説明書きがありました。

ということで、HDを漁ります。


T1910の8月14日09:00の様子。
まっすぐ四国に乗り込んでくる直前です。


上陸してきた8月15日。お盆直撃。


8月15日am05:35のナウキャストです。


NHKのサイトで分かりやすい24時間雨量棒グラフ。
この時点で徳島県の木頭が464.5mm/24hです。

木頭は長安口ダムの上流地域です。


水文水質データベースの記録で確認しました。
8月16日14:00頃と思われます。
流入量も落ち着いている頃でQin≒Qoutくらいです。


この出水では8月15日の11:00に最大流入量3811.15m3/sを観測しており
その時の放流量が3272.59m3/sでした。

3000m3/s級の放流の時、魔改造長安口、どんな光景だったのだろうか…。
それだけの水に耐えられる、それだけの水の勢いを殺す減勢の仕組み
エネルギーの相殺を考えるだけでドキドキワクワク。

流入部で水を制御する鋼製ゲート
莫大なエネルギーの方向を決める導流部
恐ろしい水の運動エネルギーと位置エネルギーを殺す減勢工

カッコいいなぁぁぁ♪


ということで無事にwith DamNight 2023 ダム探求の旅 導流・減勢編
は終わりました。

翌日は曇天で気温30℃湿度71%という帝都を上野のホテルから
あてどなく10km程歩いて東京駅に到着し、大和川水系に帰りました。