with Dam☆Night2022 その3

wDN当日、雨雲を追いかける新幹線で帝都入りしたら
ちょうど土砂降りの時に東京駅に到着。


日比谷公園に向かったら自動草刈り機Miimoが
ルンバのように楽しそうにお仕事していました。


まず向かったのはいつもお世話になっているダム協会の書庫。
ゲート総覧や土木史などを閲覧。

まさかの当日まで文献と格闘になるとは。
ホントにゲートは調べるのが大変です。

根性入れて調べていたら、ほしかった情報が見つかりました。

大峯堰堤について

“このダムでは堤頂越流させることになり、日本で最初のテンターゲートが設置された。
これは永井専一郎と高橋逸夫の海外視察の結果、アメリカのCheoa Damで採用されたものを
見習ってわが国で設計・製作されたものである。”

鹿島建設様のHPで「鹿島の軌跡」の大峯堰堤のページで紹介されていたエピソードの
元になった文献を探していて、参考文献にない本で偶然見つけました。

ただ、お名前が…海外視察に行かれたのは宇治川電気の技師長・永井専三氏
が正解だと思われるのでまた別の文献も調べねば…。


神戸市水道局の烏原貯水池・立ヶ畑ダムと上流締切堰堤、千苅ダムの竣工時に
設置されていた“れいのーるど氏専賣ノ自働扉門”ことレイノールド式ゲートは
貯水位が上がる事でフロート兼ウェイトの錘が格納された部屋に水が入り
錘が浮き上がる事で錘とチェーンで接続されたゲートが下がり
放流量を自動で増加させていく仕組です。
貯水位が下がれば錘が沈んでまたゲートが上昇して放流が止まります。

この頃、水門開閉作業の省力化はとても大事な要素であったという事は
「可動堰」でも確認していましたが、別の文献を調べると
ドラムゲートで同じようなフロート兼カウンターウェイトの機構を備えた物が
昔、造られていたらしいということがわかり
これはもう残っていないだろうなと思いつつ
現場に行って確認したい欲が止まらなくなるなど。


ダム協会でキーワードをいくつも見つけて
ダム技術センターに移動します。
不忍池では蓮が花盛り。


ダム技術センターに到着して準備もそこそこにまず向かった書庫。

アメリカのダム台帳でCheoah Damを見つけました。
千苅ダムと同い年の1919年竣工のダムでした。

先ほどの文献では“Cheoa Dam”になっていましたがこっちが正解でした。
ホントに複数の文献で調べることが大事です。

web検索すると、こちらも100周年お祝いページが見つかったので
大事に大事に使われていることが分かって嬉しくなりました。
そして大峯堰堤とそっくりさんのゲートが写真で見られて大満足。

大峯堰堤が沈んでしまったので余計にそう思います。

◆ ◆

ということで直前までドタバタしていましたが
開演時間になりました。

最初に、昨年に引き続きかっこいいいオープニングムービーが流れました。
昨年もかっこよかったけど今年はさらに良い。
ドーコンの尾山様作成♪
ありがとうございます。


第一部でまず自分が直前まで調べに調べていたデータを全部語ると
時間が足りないので端折りまくりながら古い事例、変わった事例を
だーーーーっと紹介しました。

しかし、発表しながらチャットを見ていると一番反応が大きかったのが
ダムのゲートでなく、防潮水門のバイザーゲートの方でした。
あの巨大さと個性的な造形では無理もない…。




川崎秀明先生の部門別ランキングは
ゲート一枚だけでなく、門数で評価し
各部門の王様を決めるという切り口で、まさかここが一位になるとは!!
というダムが次々出てきて、それがまたうまく全国に分布していて
各地の愛好家が地元のダム自慢で披露したくなるエピソードになるなと
聞いていてとても嬉しい気持ちになりました。

続いて、IHIインフラシステム様から
ダム再開発でローラーゲートの扉体の高さを更新した長安口ダムの新設ゲート
鹿野川ダムトンネル式洪水吐の吐口側のラジアルゲート
鶴田ダムの増設放流管のゲートなどをご紹介いただきました。

ダム再開発で今後、低水位放流が可能になるゲートの工事は増えると思いますので
あちこちでこういった最新技術が展開されていくんだろうなとワクワクが止まらない。

第二部との間に
ゲートメーカーの皆様からご提供いただいた動画を見せてもらえました。
完成したら絶対見られないアングルからの映像はほんとに貴重なものばかり。
見慣れないので興味津津の横転式ローラーゲートは近いうちに現物を見に行ってきます♪

第二部は
IHIインフラシステム様の山須原ダム改造工事と八ッ場ダム
日立造船様のアマサイ(天ヶ瀬ダム再開発)と鶴田ダム浮体式仮締切設備
豊国工業様の津軽ダムと鹿野川ダム再開発
丸島アクアシステム様の笠堀ダム災害復旧事業と夕張シューパロダム
を愛好家とゲートメーカー様で紹介する形にしました。


山須原ダムのラジアルゲート・扉体面積日本一。
通砂で頑張る装備を手に入れたことを発表。


八ッ場ダムのゲート据え付けの工夫・60日以上の工期短縮で試験湛水へ。
T1919襲来時に一晩で53mもの水位上昇があり、下流の水位低減に大きく貢献したこと。
それはダム建設のかかわるすべての方が、一日でも早くという気持ちで作り上げたことへの
答えになっていたのではないかと。聞いていて涙でそうなエピソードです。
八ッ場ダム、大人気観光スポットになっていますのでアガッタンに乗るためにもまた行きたいです。


アマサイ(天ヶ瀬ダム再開発)の凄さはゲートに減勢工をトンネル内に全部収めたことです。
普通その発想はない。先行事例もみんな圧力トンネルなのにどうしてアマサイはそうしなかったのか
それには上流の滋賀県と下流の宇治市や大阪府からのとてつもないプレッシャーがあったから。
その高圧ゲートには上下流からの社会的な圧に耐えられる強さも備わっているのではwww
視聴者の皆様も会場も笑いすぎておなか痛い。


鶴田ダムの浮体式仮締切設備は、既存の仮締切との比較で
その凄さがよくわかる内容になっていました。
これだけだと理解が難しいですが比べてくださる事でとても理解が深まりました。
設置するときの動画もイメージしやすさにつながりました。
水を入れたり出したりも面白いですがやっぱり、天端を占有しないことで
工期短縮に貢献したというのが大事なポイントだったと思います。


津軽ダムの引っ張りラジアルゲートは国内5例目で国内最大級の大きさになりました。
初代はプロトタイプの二枚扉で羽地ダムに装備されたもの
その後、土師ダムと苫田ダムに扉体上部に油圧シリンダーを装備したタイプが造られ
灰塚ダムと津軽ダムは両端押上式です。
引っ張りラジアルゲートは高圧ラジアルゲートに比べると鋼材の厚みを少なくして
扉体を軽くできますしコンパクトに作ることが可能なのでこれぞ鋼製ゲートの進化だなと
学ぶことができて楽しい。


鹿野川ダムの再開発でトンネル式洪水吐の呑口に設けられた高圧スライドゲートは
大きさがすごくて、格納する門構が高さ19.05m、幅13.2mにもなるということで
この門構だけしか見られなくてももう一回、鹿野川ダムに行かねば…
という気持ちになりました。


笠堀ダムのお話では、ゲートもすごいんですが5年という短い期間で
これだけの嵩上げを可能にするために今までにない方法で
嵩上げされている堤体にまずびっくりしました。
まさか堤体の途中から腹付なんて…。
技術の進化だな感心することしきりでした。
国内最大級 史上最速級 ゲート作戦♪


夕張シューパロダムの選択取水設備は“受注しちゃったんでやるしかない”
“最後は堤体の高さをぶっちぎった”という、真面目な説明なのに随所で
笑いをとる発表に大喜びでしたが一番すごいなと思ったのはパーツの組立でした。
模型で説明された通りにあんな巨大な物がどんどん現場で組み立てられていくのが
とてもわかりやすくてほほーー!!っとなりました。

あまりにも濃い内容で、ちょっと時間を押してしまいましたが
昨年のような音声トラブルも少なく、小さいトラブルは発生しましたけど
with Dam☆Night 2022ダムオデッセイ ゲート編は無事に終了しました。

今回のwDNでたくさんの勉強をさせていただきました。
現場で会場設営から進行まで頑張ってくださったダム技術センターの皆様
IHIインフラシステム様
日立造船様
豊国工業様
丸島アクアシステム様
なな爺様
磯部祥行様
川崎秀明先生
ありがとうございました。

オンラインは大変なことも多いですがなかなか帝都入りできない方にも届くので
今後はこのやり方が主流になるのかなぁと思ったりしましたが
やっぱり現場で生で見るライブ感には絶対かなわないし
秋にはダム工学会中部近畿ブロックもwDNやりますし
リアルと配信のハイブリッドがいいのかもしれません。

とりあえずどんなイベントをするにおいても
大流行しているCOVID-19が下火になってほしいです。

 

おまけ


農林水産省北別館のレストランで純国産ランチを食べました。