with Dam Night 2013 その1

2013/7/10 更新

夏風邪をひいて
抗生物質を飲んだとたん
腸内細菌が死滅したようで
腹痛が治まらず
近くにトイレがないと食事もとれない体調で
朝早くからふらふらしながら帝都に向かいました。

何故、そんなに体調が悪いのに帝都に向かったのかというと・・・。


土木学会図書館で調べ物をしたかったからー♪

・・・嘘です。
この日、ダム工学会によるwith Dam Night 2013
出演するために帝都に来たのです。

でも最初に向かったのは帝都に行ったらとにかくここに行きたい
一日、本に埋もれてうっとりしたい
土木学会図書館。

うきうきわくわく古い文献を調べまくりますが
ターゲットのダムについてデータなし。
同名のダムは引っかかるんですが型式違うし困った困った。

◆ ◆

図書館で体調悪いけど心が満たされて
次に向かったのはお世話になっているダム協会。

こちらでも書庫に入れてもらって文献を見せてもらっていると
土木学会図書館にあったものと発行年度は違うけど同じものを発見!!


これが今回調査で狙っていた文献のひとつ。
日本大ダム会議による『日本ダム台帳』
かなり古い文献です。

ダム協会で出版しているダム年鑑より
ずっと古いダムデータを調べる時に活用しています。
何が違うのかというと細かく見ていくと色々違う。

型式が違うとかじゃなくて
位置情報とか管理母体とかです。
最新のデータのダム年鑑、ダム便覧の方がアップデートされていて
やっぱり正確。
でも欲しい情報は現在の物ばかりとは限りませんのでー。


竣工年別にこんな表になっておりまして。


ダム名・竣工年・河川名・所在地・型式・堤高・堤頂長・堤体積・総貯水容量。


何用ダムなのか・洪水吐放流能力・所有者・設計者・施工業者など
興味深い情報がたくさん詰まってます。

ダム協会のこの文献は個人所有の文献の寄贈だったのか
間違っている個所はたくさん鉛筆書きで訂正が入っていました。

今回ターゲットにしているダムは1927〜1929年頃に竣工しているはずのダム。
見ていると同じ名前のダムがあったりして惑わされる。
結局、ターゲットの詳細情報は見つけられませんでしたが
他の面白いダム情報を色々見つけたので嬉しい。


この『日本ダム台帳』で使われている用語は
ダム年鑑、ダム便覧で使われている用語と微妙に異なります。
昔のICOLDの文献と同じです。
日本大ダム会議ですから用語も国際基準なんでしょう。

面白いのはやっぱり海外ではバットレスと中空重力式を同じカテゴリで扱っている事。


これはICOLDで見せてもらったノルウェーのダム便覧に掲載されていたバットレスダム。
ambursen damという表記はいくつかあるバットレスダムの種類のひとつです。

でも多分、凍害対策なんだろうと思いますが下流の格子状に見えるところを
コンクリート壁でふさいでしまっているから中空重力式っぽいです。

日本でバットレスダムは8基作られて6基残ってお仕事しています。
それらこの有名どころの6基がすべてスラブ式バットレスダムでアンバーセン式です。
これがバットレスだーと思いこむと海外では不思議な姿のバットレスが多くてびっくりするという。

ダムの目的(お仕事)の略号も違っているので
FNAWIPSRではなく
C(洪水調節) H(水力発電) I(農業用水) S(都市用水)だったりする。
面白い。

◆ ◆

あれこれ文献を見ていて見つけました。
本日、with Dam Night 2013で自分の発表原稿の主役である佐久間ダムの資料。

佐久間といえば国内初大規模機械化施工が有名です。
工期がわずか3年余りというのもよく知られています。
しかし何故3年で作り上げなくてはならなかったのかという理由。

3年で作ることが至上命令だったからなんですね。
非洪水期にこんなに停電があったら国としてどうなんだという状態。
だから佐久間はどんなことがあっても3年で作らなくてはならなかったのかと
ここで資料を読んでテンションを上げる。

でも血糖値は低い。
朝からご飯セーブ中だからさすがに具合悪い。

◆ ◆

そろそろ会場に向かおうという時刻。
地元の地理に疎いのでダム協会の方がご一緒してくれることに。
ついでに会場に行く前に低血糖で倒れそうなので
甘いもの食べたい少しだけ食べたいと申し上げたら
甘味処にお付き合いくださいましてチョコレートパフェ食べたら元気出てきた。
ちょっとおなかコロコロするけど大丈夫そう。