上野ダム 見学 その1

2013/5/12 更新

群馬県と長野県の県境。
群馬県の上野村。

ここに世界一の名を冠された施設があります。

東京電力 神流川発電所

世界最大出力の揚水発電が可能な最新の発電所です。

その発電所を支えるふたつのダム。
長野県の南相木ダムと群馬県の上野ダムです。

石灰岩のリップラップは晴れた日に見ると
網膜を痛めるのではないかと心配になるほどの純白で
多くのダム愛好家の心を打ち抜いてきた南相木ダム。

その相棒の上野ダムは何故かあまりメジャーではありません。
南相木の凄まじいばかりの魅力の陰でひっそりしています。

しかしダム便覧の上野ダムのページで試験湛水前の航空写真を見た自分は
鳥肌が立つほど上野ダムのカッコ良さにくらくら来てしまいました。

重力式ダム好きの自分としては
完璧な美貌の持ち主の南相木は美しくてスーパースターで当然なので
今度、このエリアに行くことがあったら何としても上野ダムを見たいと思っていました。



2010年6月。
新潟県で越後湯沢駅の温泉でお肌つるつるピッカピカになった翌日
霧の中やってきました上野村。


上野ダムへの道です。
上信越自動車道の下仁田ICから延々30km下って到着。


道中、ちゃんとたどり着けるが微妙に不安だったんですが
ちゃんと道しるべが出ていまして迷う事はなかったです。


そして到着しました。
こんなところまで環境に配慮したのかという渋い表札。


しかし・・・
このように展望台には朝早いと入れないという落ちがまっていました。
しまったしまった事前調査不足。


ゲートが開くまで2時間以上あるという山間部の朝。
ここにいてもどうしようもないのでとりあえず移動。


下流に行く道があることは分かっていたのですが
ここは環境への配慮よりまずは周知することを第一目的にしたなという
目立つでっかい看板だらけの下流側管理道路入り口。

Aバリケードは立っているしダムを見に行くだけなんだけど
微妙に入りにくい。
釣り道具もっていないんですが車で入ると咎められそうな空気が充満していました。
ダムを見に行くのにも入漁券が必要ですかって空気。


上野ダムまでこのくらいなんですが。
徒歩で行こうにもパーキングが先に進まないと無いし
どうしたらいいのかと途方に暮れる。


そしてここにここまできっちり描いてくれて嬉しくなる上野ダムのイラスト。
上から見たイラストだと上野ダムのカッコよさがすごく分かりますね。

上野ダムはここまでやるか!?
と吃驚する位、計算しつくされた凄いダムなんです。

まず立地。
上野ダムの建設地点はダムにとっては一番嫌がられる下流下がりの渓谷でした。

下流下がりの場所にダムを造るとダムが“転倒”しやすくなります。
文字通りに転ぶというイメージで見るとぷぷぷと笑ってしまいたくなる絵ですが
正確には滑りやすくなる、安定性に欠けるという意味にとってください。

その“転倒”する危険性を回避するために必要なことは
基礎岩盤を大きく掘削してグラウチングを施す事です。
これは凄く堤体がでっかくなってコンクリートの量も増えてしまい
コストが跳ね上がります。

この場所で両岸の天端の端と端を直線でつないだ線で
堤体を打設したらとっても堤体積の大きなダムになっていたでしょう。
それはつまり環境に与える変化がとても大きくなることを示しています。

それを回避するために東京電力様は
ダム軸を上流側にふって元々の地盤を有効に使い
基礎掘削量を減らしつつ堤体を二つに分けてアーチっぽく繋いで
全体のコンクリート量をぐぐっと減らし
信じられないスレンダーボディで強固な重力式ダムを作ってくださったのです。

感激するほど細マッチョ♪
何このカッコよさ。

なのに南相木の影になって目立たないなんて可哀想過ぎる。
上野ダムこんなに凄いんだよぉぉぉ!!
みんな上野ダムにもっと注目してあげてよぉ!!