鶴見川多目的遊水地 見学 その4


資料をたくさん見た後に実際に越流堤の横にやってきました。
平時はこの通り、特に何もないただの堤防のような何か。


でも越流部の上はしっかりフェンスで立ち入り禁止にされていますし
音波式と思われる水位計も立っています。


そしてこれが草が枯れていて比較的見通しが良いシーズンのはずなのに
水面があまり見えない鶴見川。
この川が洪水のときには大暴れしでかすんですね。


排水門もズームして確認。

たくさんの人が集う広大な敷地です。
これだけ都心部に近い遊水地ですから本当に責任重大ですね。
そしてこれだけ親しまれているので
役目もきっと多くの人に理解してもらえている遊水地だと思います。

京都の亀岡市に建設予定のスタジアム計画の話を聞いてから
実際に遊水地内にピロティー構造で建てられて運用成功している事例があると
専門家の方から聞いて、ぜひ現地に行きたいと思っていた鶴見川多目的遊水地。

しっかり見ることができました。


鶴見川多目的遊水地見学の後
炭素様にお願いして連れてきていただいたのは
神奈川県の土木遺産です。


まず最初にこちらの横浜の近代水道にかかわる土木遺産。
『大原隧道』です。


綺麗な馬蹄形トンネルです。
豪華な装飾。
表面は煉瓦積みです。
いいないいなこれは素敵♪
お洒落な横浜にぴったり。


と、近づいて説明板を読んでいると
“… 受賞理由は「紫褐色の焼き過ぎ煉瓦と城の花崗岩と・・・”
と書かれています。

焼き過ぎ煉瓦ってなんかけなされているような印象を受けました。
煉瓦界においては赤煉瓦至上主義なんだろうか…
と、調べたところ単に吸水性が低く、耐久性・耐衝撃性が高い
赤煉瓦より強度を増したもので製法の一つであるらしいです。

舞鶴とか小樽とか他のお洒落な街でも
焼き過ぎ煉瓦による建造物があったのかもしれないけど
記憶にないのでまた改めて探してみたくなりました。


少し離れたところにあるもう一つの土木遺産の『東隧道』です。
先ほど通った『大原隧道』とは異なり、とても大きいうえに装飾が豪華!!
こちらにも土木学会選奨土木遺産認定のプレートがありました。


車も通れる立派なトンネルです。
しかも装飾に歯飾りが取り入れられていて
焼き過ぎ煉瓦と白い花崗岩のコントラストも素敵で
これは土木遺産に認定されるよな〜という美しさです。

いや、でも、先に見た『大原隧道』だったら
水道関係のトンネルというのがサイズ的にもしっくりくるけど
この『東隧道』の巨大さは何なんだと疑問も残る。

◆ ◆


最後に連れてきていただいた神奈川県水道記念館です。
こちらも『神奈川県営水道施設群(記念館他)』として
土木遺産に認定されています。

こちらで配布されている寒川取水堰のダムカードも頂きました。
堤高が6.0mのローダムです。
しかも横江頭首工と同じくフローティングタイプです。
右肩の“W I”の文字が誇らしい。

ということで炭素様のサポートを頂き
神奈川県の土木遺産と遊水地等を見学してきました。

横浜というと神戸と同じくお洒落な海沿いがやっぱり有名ですが
土木マニアには行きたいポイントが微妙にずれているわけです。

以前から気になっていた鶴見川の多目的遊水地を見て
亀岡市の霞堤に思いをはせて
色々考えることができた見学でした。

炭素様、ありがとうございました。