辰巳ダム 見学 その3


見学所の端まで行くと逆に堤体が見づらくなってしまうのですが
別の物がよく見えるようになります。


ここにあるのが辰巳用水・東岩取入口です。


なのでこの場所にある説明板も辰巳用水についての物でした。


現在の東岩取入口は辰巳用水が出来てから3代目の取入口のようです。

何故、取入口を遷移したかは記されていませんが
一番考えやすいのは出水後の土砂の堆積で閉塞してしまう事です。


管理所の前に素敵な広場が出来て居ました。
芝生と丘と青空。
こんなにとんでもない暑さの夏でなければ
きっと家族連れがたくさんピクニックに来ているんじゃないかと思える風景。


堤体の中央から上下流を見たいと思います。


貯水池の様子。
とても緑。
洪水痕跡の流塵などはこの時、目に入りませんでした。


手摺の隙間から一生懸命、下段常用洪水吐のスクリーンを狙ったところ。
貯水池は緑ですが呑口周囲には補足した流塵が堆積しています。
スクリーンのお役目しっかり務めていますね。


下流側、副ダムです。
副ダムはスリットつき。


副ダムの水の流れを見て居ると右岸側に流れているのが分かります。
ここが辰巳用水のために設けられた仕組なのです。


川の流れを副ダムに貯留して側壁から辰巳用水・東岩取入口のある
元々の犀川に水を誘導しているのです。
辰巳用水の取入口を動かさないこと
今まで変わらない水量を取り込めること
それをきちんと検討してこのデザインが出来上がっているのです。

副ダムの下流にも側壁が伸びていて
東岩取入口に洪水時の水がなるべく影響しないように
きっちり造られています。

萌えだ。
萌えポイントだっ♪


堤趾導流壁の内側の段々。
いちばん下の少し広い側水路っぽいところに
堆積土砂で草が茂りだしていますね。


水位標です。
汚れていません。


下の方はそれなりに使用感がありあり。
フーチングに堆積土砂と草が繁茂しているあたり
何度も出水防いで頑張っているんだなと伝わってきます。

◆ ◆

手元のデータフォルダで辰巳ダムのハイドログラフを探してみました。

川の防災情報、水文水質データベースで過去データが撮れなかったので
これしかないのですが。
2013年7月29日のハイドログラフです。

この時は石川県でどんな天候だったのかというと
NHKのニュースをスクリーンショットしていました。


7月29日12:00過ぎの報道です。


更に同日18:00過ぎの報道はこんな感じでした。


降雨のピークを越えてこのスクリーンショットを撮った時には
貯水位EL117.38m。
うむ。
余裕で洪水を防いだようだ。
素晴らしいっ♪


治水専用の流水型ダムとして
歴史ある用水と景観に配慮して
生まれてきた辰巳ダム。

見て見てアピールがとても可愛いです。
でも仕事はばっちり男前!

兼六園に行くならここにも足を延ばしてほしい辰巳ダムでした。