立野ダム工事現場遠望 その1
2020/3/1 更新
見とれるほど美しい落ち葉の絨毯です。
雨上がりの朝の早くから写真を撮りに来たのは熊本県庁。
事前に情報を得ていなかったので吃驚して
敷地をうろついて写真を撮りまくってしまいました。
銀杏の雌の木が少ないのかこれだけの落ち葉があるのに
銀杏が落ちているところはほとんどなくて臭くないのです。
綺麗だけど臭くなる御堂筋とは大違い。
◆ ◆
熊本県庁のある都心部から移動してきたのは南阿蘇村の立野地内です。
目の前にあるのは九州電力様の黒川第一発電所の水圧鉄管です。
山の頂に見えている上部水槽です。
この上部水槽の側壁が熊本地震で発生した
地すべりで足元の土が無くなってしまい
損壊してしまったのです。
平成28年4月に発生した熊本地震
最大震度7の大地震でした。
4月14日、15日、16日に最大震度6以上の揺れが連続して起きました。
ニュースで見ていても本当に怖かった。
ニュースで突然出てきて真っ青になったのがこの映像です。
真っ直ぐ伸びる水圧鉄管
その上にあるのは上部水槽
山肌が崩れた事で足元の土が無くなり
側壁を持っていかれてしまったのです。
この状況を見て
上部水槽が原因で地滑りが起きたというような誤った憶測が
webにいくつも流れましたが
側壁が崩れたのは14日ではありません。
九州電力様のHPで公開されている
『黒川第一発電所設備損壊事象に係る技術検討会 報告書』
に詳しい記載があります。
14日の震度6の地震の後、
震源地直近の黒川第一発電所は設備点検のために取水も発電所も停止していたのです。
黒川第一発電所付近では震度5弱でした。
二日後の16日真夜中の01:25
最大震度7、黒川第一発電所付近で震度6強の本震が来たのです。
この時に水槽の横の山が地滑りを起こした事で被害を受けてしまったのです。
1914年竣工の歴史ある黒川第一発電所。
最大出力は42200kW。
素晴らしい発電所なのです。
熊本地震による設備の損傷で
発電所は現在、運転を停止しています。
水圧鉄管を渡る通路から発電所方向を見たところです。
発電所建屋はもっと低い場所なので見えていません。
振り返って山の方を見るとこんなに美しく
水圧鉄管が伸びていました。
一日も早く、発電が再開できるようにお祈りです。
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黒川第一発電所の鉄管を見せてもらった後に
連れてきていただいたのはすぐ近く。
変わった風車が立っているここはどこかというと…
地元の南阿曽村・旧立野小学校の校舎の一部を利用した
立野ダム広報室です。
このすぐ近くで国土交通省・九州地方整備局の
立野ダムの建設工事が進んでいるのです。
令和元年9月に出来たばかりなのでホントに訪問時は
できたてほやほや。