高山ダム ダム湖巡視艇体験 その3


ふと眼を上げると高山ダムの所長さんとお話しておられるネクタイ姿の方が。
しかし足元はちゃんと長靴。心得ておられるその姿はきっと偉い人に違いない・・・
と、見ていたらなんと村長さんでした。

鞄からダムカード大全集を出して胸に抱えてお話が終わるのを待っていたら
所長さんが村長さんにダムマニアの人も来てくれているんですよと紹介してくださいまして
大慌ててごあいさつ。

村長さんに高山ダムはカッコいいしダムカードも配布しているという事で
ダムに興味を持ち始めた人がたくさん訪れるのですとお話ししたところ

「山城水害を知っていますか」

と、聞かれて吃驚しました。

村長さんは山城水害を実際に体験しておられたのです。
ご自宅は川から離れた高い場所にあったという事ですが
高い所であっても山から流れてくる水で
家の土間にあった下駄などが皆流れていったというお話をお聞きして鳥肌が立ちました。

山の保水力の限界を超えていたために表層を雨水が流れ出した状態です。
高台にありながら床下まで水が来ている、ある意味浸水しているのです。

そんな経験のある南山城村だから高山ダムが洪水調節を仕事に持つダムとして造られることに
とても期待していたというエピソードを聞かせていただきました。

役場も働く人が昔の水害を経験しているためにダムができる前は
1階は車を置くスペースなどにして書類などは全部2階以上にあげていたそうなのですが
高山ダムができてからは1階も無駄にせず使えるようになりましたというお話も嬉しかったです。

村長さんはご自身も高山ダムの建設現場で働いた経験もお持ちで
原石山からベルトコンベアの配置、バッチャープラントの位置
どこに骨材置場があったのか、ボールミルがどこにあったのかなど
鮮明に記憶しておられて説明をくださいました。

建設に関わった方から見たら自分の子供のように可愛いダムだと思います。
大変貴重なお話を聞かせて頂きました。
地元の方に必要とされていてその仕事ぶりには厳しい評価もくださる
とても良い関係が南山城村と高山ダムの間で出来ているのだなと思いました。


ブースの中の高山ダムの説明パネルです。


高山ダムのお仕事説明パネル。
2012年台風17号襲来時には高山ダムは下流の国道が低くなっている地点の浸水を防ぐために
淀川ダム統合管理所の指示で特別防災操作を行って河川水位の上昇を抑えているんです。
その時の記者発表資料です。
見事なバケットカット、鍋底調節です。


工事中の高山ダムの様子がパネルに。
ブース内ではこのスライドショーに加えて梅の花の頃のダム湖や
ダム湖周囲の景色の動画がモニターで流れていました。


そしてこれがダムの横の原石山。


現在の原石山の様子。
竣工して40年以上経ってすっかり緑に覆われました。
教えてもらわないと分からないくらいです。


という事で自分も申し込みをして巡視艇体験を待つ。


普段はフェンスが閉まっていて行くことができないインクラインへの道。


元気一杯の子供たちもうきうきわくわく。
でもあまりに小さいお子様は巡視艇には乗れないのです。
ライフジャケットのサイズが合わなくて・・。

でもモノレールに乗れるからいいの〜
また大きくなってからくるよ〜
と、聞き分けの良いいい子ばかりでした。


さぁ、インクライン到着。
ここから堤体見たかったんですよねー。


いつもの場所よりやっぱりいい顔してる。
アーチっぷりが写真に収めやすい。
しかも水位高い高い。
お天気よかったらほんとに最高だったのに小雨。


下からリフトが上がってきます。
青蓮寺ダムのドルフィン号とよく似た形ですね。


全員ライフジャケットを装着して今か今かとわくわく。
もうすぐあのゲート間近に行けるんです。