ダム工学会中部近畿ブロック with Dam☆Night2022
高根第二ダム 公式見学 その3

続いて高根第一発電所を見学です。
発電所の銘板は横山会長の筆でした。
とても優しい字だなぁ…と、しばし見とれる。

発電所は完全地下式ですからトンネルを通っていきます。
橋が架かってその向こうにトンネルのポータル。
橋の下は高根第二ダムの貯水池バックウォーターで高根第一ダム直下になります。

発電所構内に入りました。

高根第一発電所は、竣工当時、出力34万kWで
中部電力様最大の水力発電所でした。
完全地下式発電所も中部電力様の初事例でした。
高根第一発電所は揚水式発電所で、計画当時はその役割を
主として余剰電力の消化及び経済運用に求めていました。
しかし、高度経済成長、電力需要増大と高能率の火力発電所が竣工するに従い
低能率の老朽化力が減少し、揚水で置き換えられるものも減少しました。
古い火力発電所は立ち上げに数日かかり定格運転が基本で
出力調整が難しかったために、需要の少ない夜間に定格運転で余った電力を
無駄なく使ってポンプアップするという計画でした。
しかし、高能率火力発電所が稼働するようになり
電力供給の安定している平常時において揚水発電は
ピーク供給源と運転予備力として活用される面が主になってきました。
定格運転という事では原子力発電も同じですので
出力調整が難しい時に調整弁として電気の安定供給に貢献してきたのです。
近年は不安定電源でもある太陽光発電の調整弁の役割が大きくなってきています。
そして災害時の大規模停電の復旧時にも揚水発電は活躍します。
水力の最大の長所である運転の即応性、安定性を生かした予備力としての効果は絶大です。
揚水発電は、日本が誇る周波数が安定した高品質の電気の提供に
大きく貢献してきた施設なのです。

ここで採用されているポンプ水車も斜流形としては
当時、世界最大のレコードホルダーでした。
これはその模型です。
動くのです。
くるくる軸を回して羽をパタパタさせてもらいました♪

発電所見学をさせていただいた後に、連れてきていただいたのは
なんとなんと、高根第二ダムの天端です。
高根第一ダムと高欄のデザインが逆。
貯水池側にパラペット型のスタンダードなスタイル。

いつもフェンス越に眺めるしかできなかった天端に入れて頂きました。

「高根第二ダム 1968年 竣工」の文字です。
高根第一ダムより1年先輩。

ここから見られる堤体、中空重力式ならではの急角度がたまらなく素敵♪

貯水池側です。
満々ではありませんがハラハラする水位ではないので嬉しい。
揚水の下池ですが高根第一発電所は混合揚水。
ここ大事。

そして中部電力様の中空重力式ダムで絶対押さえておきたい愛でポイント。
洪水吐越流部貯水池側に延びるこのウイングピア(←勝手に呼んでいるだけで正式名称ではありません)
ゲート放流時の水流が滑らかに安全に流れ下るように
水利模型実験を重ねて考案された越流部形状を構成するパーツのひとつ♪

先ほど、見学させて頂いた場所を見下ろしました。
上からだとスキージャンプの端の形状もばっちり見えます。

端は空中に水を放り出すためにピッと上がっていました。

そして直下には堤体との間にシルが設けられています。
シルの手前には排砂ゲートの吐口がありますので
洪水吐として使用した際にクレスト放流の影響を受けないように
設けられたものかなと予想。
そう考えるとクレスト放流の水流はこのシルの向こうまで
飛ぶんだな〜とさらに予想。

これはクレストゲートの巻揚機ではなく排砂管の呑口ゲートの巻揚機になります。
貯水池側にあります。

排砂ゲートと同じ呉造船所様の作品でした。

左岸まで行きたかったのですがスズメバチ襲来により退散。
誰も刺されなくてよかった。

そして最後に中空重力式ダムの最上段通廊に入れていただけるという事になり
参加者、今日、何回目だという狂喜乱舞♪

最上段の通廊もやっぱりブロック間を繋ぐ部分は丸いのです。

一番高い所から見下ろしたホローの底です。
むき出しの岩盤とコンクリート部分と階段と。
古代遺跡を見ているよう。
剣と魔法の幻想小説の舞台にぴったり。
ファンタスティックとはこのことか。

シアターになっていたホローです。
椅子が並んでいますね。
水圧管路のホローです。

さらに奥のホローまで進ませて頂きます。

いちばん深いNo.09ブロックとNo10ブロックの間のホローまで見せていただくことができました。

最上段の通廊をローアングルで撮らせて頂きました。
ホントにここだけでしか見られない特別な光景です。
揚水発電の役割とお仕事とカッコいい高根兄弟を見学させて頂きました。
しかし、しかしっ
最初から最後までダムがカッコ良過ぎて興奮状態で
学ぶべきポイントを現場で落っことしてきてしまったかと反省します。
そのくらい高根兄弟はカッコ良過ぎました。
素晴らしいおもてなしと貴重な見学をご準備いただきました
中部電力 水力事業部、岐阜水力センターの皆様
本当にありがとうございました。