T1910の池原ダム その1

2020/1/1 更新


令和元年の師走、池原ダムにやってきました。


まずは貯水位確認・・・と、ダム湖を見てひぇぇぇぇっ!!となりました。


一か月前にも来ていたのです。
一か月前はほのぼの水位だったのに…。


たった一か月で何があったのーっ!!
こんなに水位が下がるなんて…。


こんなにお水あったのにー!!


すでに非洪水期ですからまとまった雨は期待できません。
はらはら水位です。


うう…幸せ水位は無理でも
ほのぼの水位に戻ってほしいーー。
しくしく しくしく。
◆ ◆

そもそもなんでそんなに何度も池原ダムを訪れているのかというと
令和元年台風10号(T1910)襲来時の池原ダムと風屋ダムの操作が
素晴らしすぎて凄く気になっていたからです。


こちらが近畿地方整備局からのプレスリリースです。

でんぱつ様の風屋ダムと池原ダムが紹介されています。


紙面のスペースの関係でハイドログラフだけでハイエトグラフがないので
そこだけが残念ですがこの風屋ダムの操作は
昨年公開した平成30年台風20号(T1820)襲来時の池原ダムに匹敵する凄い操作です。

8月15日の14:00から19:00まで5時間の遅らせ操作とピークカット
一類のダムの中でも非常に高度な操作です。

風屋ダムの貯水池は池原ダムの約半分の1億6000万m3です。
1億m3以上の大貯水池を持っているからできる遅らせ操作です。

T1820での池原ダムと同じ精緻な放流計画で
操作が進められた事が伝わってきます。

※昨年公開したT1820の「台風一過の池原ダム」のレポートを
実際のダム操作を実施された方にチェックしていただきましたら
所詮素人なのでやはり細かい数値が間違っていました。
またどこが間違っていたのか修正して公開したいと思います♪


そして今回の池原ダムは更に高度な操作を展開されていました。

流入ピークの前から絞り込み開始しているバケットカットです。

いや待ってちょっと待って
降雨量が前線性降雨に比べて高確率で予測できる台風性降雨で
本体降雨が行き過ぎた後の流入ピーク後カットならまだしも
紀伊半島で
地形性降雨で
雨域の途切れがとにかく読めないこの大台ケ原の南側で
この操作しますか??

こんな凄い治水協力を実施してくださったので
wDN-Biwakoでは近畿地方整備局の方や
京都大学の角教授をはじめとするスタッフの皆様と
ハイドログラフを見ながらわいわい盛りあがりました。

近畿地方整備局の方からは
「ホントに風屋と池原がこんなに頑張ってくれたから
今回、日足地区での民家の浸水は免れたんですよ」
と、感謝の言葉がとまらないし
直後に発表された和歌山県知事様からのメッセージ
県ダムの頑張りと関電様の殿山ダム、電発様の風屋ダム・池原ダムの
働きをしっかりと見てくださってそれに感謝していますという内容で
読んでいて泣きそうになりました。

なので年内にきっちり取材して記録しておきたいと思っていたのです。

◆ ◆


ということで
詳しくお話を聞かせて頂けることになり
でんぱつ様の北山川電力所にお邪魔しました。

興味がない人にはなんのこっちゃですが
ハイドログラフの読み解きでダムの活躍を讃えたい人種には
ドキドキわくわくのこの操作について
実際の操作に当たられた方にお話を聞きたくて仕方がないのです。


池原ダムの洪水吐真横です。
洪水吐の横は開閉所になっていますので
ダムカードをもらいに来たついでに見せてくださいと言っても
通常立入禁止で絶対近づけません。
念のため。


洪水吐の直下の減勢池と発電所の放水庭と掘り下げられた河床が織りなす
複雑な造形の中でもこの部分がとても好きです。
岩盤が出ていてとってもファンタスティックな箱庭感があるので。
実際は物凄い面積なので箱庭どころじゃないですが。


いつ見てもかっこいい字。


玄関のひさしの角に据え付けられているのはふくろうの像。
何とこれは烏除けらしいです。
池の鯉を狙って烏が襲撃してくるとか。こわい。


管理所訪問のお約束。
非常食を見せてもらいました。
ご飯に味噌汁♪


カップヌードル以外にどん兵衛もありました。
やっぱりお野菜もほしいなぁ。