新豊根ダム 見学 その6

なぜか細かく分かれている水位標。
岸がなだらかだから階段状に設置しているようです。

操作所で見せて頂いたイラストです。
新豊根ダムと新豊根発電所、佐久間ダム湖の配置が分かりやすいです。
ここでお水が行ったり来たりしているわけですね。

平成23年度 中部地方ダム等管理フォローアップ委員会 新豊根ダム定期報告書【概要版】
で公開されている資料です。

新豊根ダムは大入川にあるダムで新豊根発電所の揚水を通して天竜川の水も受けとっていますが
洪水調節については大千瀬川との合流点直下、浦川地点を基準に考えて操作されます。
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平成18年9月出水の時のハイドログラフを見ると
新豊根ダムから新豊根発電所を経由して佐久間ダムに水が送られていますので
新豊根ダムの洪水吐ゲートは開けずに済みました。
発電放流だけで洪水回避できたのはとても良い事です。
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平成19年7月台風4号出水の時のハイドログラフでは
かなりの流入が長い時間続いたことが降雨量を示すハイエトグラフ(逆さ向きの棒グラフ)から見てとれます。
ピーク前に発電放流で新豊根発電所経由で佐久間ダムに水を送り、貯水位を下げていたのですが
流入ピークの後で佐久間ダムも水位が上がっていて送れなくなっていたのかと思います。
下流の水位を見ながら洪水吐ゲート操作を行い大入川に放流しています。
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平成22年7月梅雨前線停滞による出水の時のハイドログラフでは
これまたハイエトグラフを見ると厳しい戦いだったようで
発電放流で備えていますが凄い量が入ってきています。
大入川・大千瀬川流域だけでなく天竜にもかなりの降雨があったのでしょう。
天竜の上流域で凄い降雨があった時は佐久間ダムに発電放流で水を送れない事もあります。
佐久間ダムは上流水位にも気を使って運用されている第一類ダムです。
佐久間発電所を運転しても流入量に追い付かない場合は貯水位を
定められた水位標高以上に上げないようにクレストゲートで放流します。
新豊根ダムは流入ピークの後、洪水吐ゲート操作を行ってピークカットしています。
降雨が治まってから階段状に放流量を低減しているのがグラフで分かりやすいです。
じわじわーっと次の洪水に備えてドローダウン放流を続けています。
ハイドログラフではついつい放流量に目がいきますが
大事なのはダム湖貯水位です。
貯水位を見ていないとなぜこのタイミングでこの量を放流したのかが分からなくなりますし
ついでに言うと下流の水位局舎のデータで水位変化を見ていないと
特別防災操作が行われたときなどは見慣れないハイドログラフが現れて混乱すると思います。

発電放流と連携して洪水調節を行う新豊根ダム。
揚水発電の上池ならではという難しい操作が洪水のたびに行われています。
揚水発電の上池で洪水調節というと九頭竜ダムもそうなのですが
九頭竜ダムはダム湖が巨大で貯水容量が半端なくでっかいので。
新豊根ダム 53500000m3
九頭竜ダム 353000000m3
ごめんなさい比べると可哀想でした。
ダムは一基ずつ本則操作、操作規則が違います。
洪水調節をするダム、しないダム
洪水調節をしないダムでも第一類〜四類の指定に従って上下流の安全を考えて放流されます。
ダムでなく取水堰堤でも自由越流式でなくゲートを有している限り堰操作規則があります。
治水と利水
その最前線で頑張る新豊根ダムは揚水発電の上池として
下流を守る砦として毎日、毎日お仕事を頑張っています。