下荒井ダム 見学 その1

2023/9/11 更新


福井県の勝山市です。


九頭竜川水系に造られた発電用のダムや取水堰で最下流に位置する
関西電力様の下荒井ダムにやってきたのです。

ここから取水した水が届く市荒川発電所は川の横の山の上に
ヘッドタンクの存在感がすごくて城塞感が半端なく
土木が好きな人なら視界に入った瞬間に萌えゲージが
跳ね上がること間違いなしの印象に残りやすい発電所でもあります。
ヘッドタンクの印象がとにかくインパクト大。


大河川、九頭竜川の下流ですから流量も豊富です。
これは沈砂池に向かう水路です。


沈砂地に向かう水路の水です。


沈砂池の水門部、真向です。

水路の幅がパッと広くなるのが沈砂地で良くある形状です。
広くなることで何が起きるのかというと流れがゆっくりになるのです。
流速が落ちることで水中に漂う砂が沈澱しやすくなるのです。


県道横の沈砂池から下荒井ダムの方に移動します。


堤体の下流に護床工が広く設けられています。


丁度、点検作業の方がピアの梯子から直下に降りてこられました。
人と比べるとゲートの大きさが分かりやすいかと思います。

水文水質データベースによると
下荒井ダムのローラーゲートは 14.50×4.5m 6門となっていました。


国土交通省の下荒井観測局舎です。
この横から堤体にかなり近いところが見られそうだったので近づきました。


おお。堰堤と護床工がしっかり見える。


右岸側には緩やかな傾斜の固定堰。
元々は石積みだったものにコンクリートで被覆したのかなと思って見ていました。
その根拠は横のピアの石組型枠と護床工との間の水叩きの石張り。


1944年から発電している市荒川発電所の取水堰堤ですから
石張りに石積み型枠は何ら不思議ではありません。


最初はどんな風に並べられていたのかちょっとイメージしにくい
中空三角ブロック軍団。

九頭竜川筋の大出水というと2004年(平成16年)の
福井水害がパッと頭に浮かびますが
大きな出水でダメージ受けたと断定はできないし。

それこそ、じりじり、じりじりと少しずつダメージが
積み重なっていくのが川底なので。


綺麗な石張りの水叩の直下には巨大コンクリートブロックが
整然と並んでいますが、よくよく見ると隙間になんだか
ものすごい大きさの石が挟まっていたりします。


波打つ水叩きとコンクリートブロックの摩り減りと窪み。

開ける頻度というより土砂吐ゲートの下流ではっきりしていました。
石とコンクリートの摩耗がよくわかる。


水叩きの石張りはとても美しいです。
昔は天然石使っているので摩耗にも強いです。

でも長年使っているとどうしても下流で川底に洗掘が発生します。
洗掘が進むと川の底もですが両岸も土砂が持っていかれて
崩れやすくなりますので川底を安定させるためのメンテナンスは
とても、とても重要なのです。