七川ダム2022 その1

2023/8/11 更新


令和4年の年末に和歌山県の管理する七川ダムに久しぶりにやってきました。

ゲートの修繕が始まるので間近でゲートを見てみませんかと
素敵なお話を頂き、うきうきやってきました。


初冬の低めの日差しでもありますが朝早いという事で
堤体に陽が当るのはまだまだかかりそうな頃、現地に到着しました。


堰堤改良工事で今回実施されるのはゲートの塗装です。


まだ早かったので貯水池にある関西電力様の佐田発電所取水口を見に行きました。


丸島アクアシステム様の制水門銘板。
ローラーゲートで、“発水バルブ内臓”とあります。
操作条件には水圧バランス操作という記載もあり
情報が多くてうれしいです。


こちらがローラーゲートの扉体に設けられた発水バルブ。
ラジアルゲートには無理だけどローラーゲートみたいに
上下で動く平らな扉体だから色々装備できます。


管理所の方に戻ってきました。
説明板を読みなおします。


七川ダムの集水域が水色に塗られています。
集水域の面積は102km2です。

総貯水容量は3080万m3で有効貯水容量2540万m3です。

昭和31年3月に竣工しています。


天端高欄の左岸貯水池側に土木学会選奨土木遺産のプレートがあります。
2019年に認定されました。

土木学会の選奨土木遺産を紹介するホームページでは
「常用洪水吐に国内最古の高圧スルースゲートを設置した多目的重力式コンクリートダムである」
と選ばれた理由が載っています。


今回、塗装工事が行われるのはその高圧スルースゲートではなく
クレスト部のローラーゲートになります。


ゲートの近くに行く途中にあった水位計。
主と副が並んでいました。
アーチダムでも用いられことがある制度の高い水晶式水位計です。


天端中央付近。
ゲートピアの下流側、普段は通路になっている部分に
作業室が組み立てられていました。


ゲート室まで入れていただけるという事でまずはらせん階段を上っていきます。


ゲート室に到着しました。ローラーゲートらしい大きな巻揚機です。


こちらはが機側操作盤です。
今からゲートを決められた位置まで動かすという事で
操作の様子を見せて頂きました。


ゲート室の外周に出してもらうと左岸の管理所もずっと下に見えました。


ゲート室外周から堤体直下を見下ろした貴重なビュー。
左右の山が迫った場所に立つ実にタイトな堤体です。


天端右岸側を見下ろしたところです。
右岸は山で突き当たり、行き止まりになります。