笹生川ダム 見学 再び その4


更に進んで視界が開けました。

笹生川ダム直下広場(←勝手に言っているだけです)に到着しました。

この時、すでに全身草まみれ。
冬季装備のフィールドジャケットのポケットにも
衣服にくっつく草の種や小枝が一杯侵入していました。


笹生川ダムを下流側真向から見ての印象はゲートが小さいなという事でした。

どのダムと比べて小さいなと感じたのかというと
群馬県の藤原ダムです。
50年物の堤体のコンクリートの色や
3門のクレストゲートがそう思わせたのでしょう。

しかし、藤原ダムに比べるとゲートの可動範囲もゲート自体も小さく
なにより導流壁が低いというのが目立ちました。

この幅の越流部でこの導流壁の低さは最近見ないデザインです。


越流部にぱしゃぱしゃお水を流しているのは排砂ゲートとして造られた放流口です。
現在は排砂ゲートと呼ばず維持放流ゲートに改名。
河川維持用水を流しています。

150mmのジェットフローゲートが堤体内にあるそうです。


せめて帰りはこれを使えたらと堤体最下部の監査廊への入口に
果敢に立ち向かう福井県の職員の方を阻む直下の“沼”。

「すいません。やっぱり無理です」

ミニ沼沢地化していました。
シーズンが悪かったですね。


維持放流ゲートのデフレクターのアップ。
変わった形ですね。
縁に鋼製のガードがあるのもいい感じです。


古典的な重力式ダムの形。

頭の中に常にあるのが奥越豪雨での堤体越流であるため
この場所から見上げていてもそのことばかりが気になってしまいます。


既設ダムに行われた大規模工事。
ダム自体も国内ハイダム黎明期の物ですが
再開発工事としても黎明期の物です。

現地では左岸からしかビューポイントがありませんが
このダムは国内でも数少ない過酷な経験をしている
凄い戦歴を持っているダムなのだという事を見に来てくれた方が
感じてくれたらうれしいなと思った笹生川ダム見学でした。

私と一緒に川に落ちつつ藪で草まみれになった
福井県職員の方、同行して道を切り開いてくださった
国土交通省の方に感謝いたします。