笹生川ダム 見学 再び その1

2008/1/16 更新

福井県大野市のダム巡りで再び訪れた笹生川ダムです。

笹生川ダムは堤体越流を経験しているダムです。

通常、ダムから下流側に出る水は洪水吐・余水吐のゲートを経由して
又は水路や発電設備を経由していきます。

しかし、これらの設備がさばく事の出来る水の量以上にダム湖に水が入ってきた場合
ダム本体を水が乗り越えてしまう事になります。
これが堤体越流です。

堤体越流の恐ろしいところは
「ゲートなり水路なりを通って水が出ていく=コントロールされた水の出」
であるのに対し
「コントロールされていない水の出」である事と
水や流木が設備を破壊してしまう可能性があるという点になります。


2008年7月26日(土〜)27日(日)に開催される
森と湖に親しむつどい『九頭竜湖 真那姫湖 サマーフェスタ』
に向けての大野市のダム広報作戦で電源開発、北陸電力に続いて
笹生川ダムを管理している福井県にも見学申請が通りました。
真名川ダム管理所のバックアップのおかげです

福井県土木部河川開発課発行の「福井のダム」によると
笹生川ダムの説明は以下のようになっています。

笹生川ダム

洪水調節、不特定灌漑用水の供給および発電を目的として
昭和26年に着手し、総事業費48億円で昭和32年11月に福井県初のダムとして完成

ダム完成後、計画高水流量を上回る洪水が記録され、特に昭和40年9月の奥越豪雨では
これを大幅に上回る1,002.33/sという想像以上の洪水が発生し、洪水吐機能、ダム本体が
重大な危機に直面したため、昭和47年度から昭和52年度まで総事業費約24億円で
トンネル余水吐を新設した

昭和54年度からは不特定灌漑用水補給区域で農業用水の合理化により生み出された
減水量を水道用水へ使用目的を変更してい

ここで福井県初のダムと書かれていますが別のパンフレットには
福井県初のダムは雲川ダムであるという記載があります。

雲川ダムは昭和31年完成ですので笹生川ダムより一年竣工が早いです。
笹生川ダムも雲川ダムも福井県の電気を生み出すために
中島発電所(昭和32年2月運転開始)に水を送るために造られていますから
同時期竣工というのが良いでしょうか。

増設されたトンネル式余水吐は笹生川ダムに向かう途中、道路から見ることができます。

パラパラと雨粒が落ちてくる中、到着した笹生川ダム。
周囲の山は色とりどりの紅葉が見事でした。
お天気だけが残念です。


笹生川ダム天端右岸に到着しました。
ちょうど工事が入っていたようで普段は閉め切られている天端に進むことができました。


右岸から堤体。
貫禄が漂うコンクリートです。


紅葉に彩られた下流側の左右の渓谷。
笹生川ダムは本当にいつも水が綺麗です。
河川維持用水がぱしゃぱしゃ出ています。


上流面。
左岸にあるのは取水棟です。
それより先に道路などはありません。


天端からダム湖の方を見ると余水吐トンネルが見えます。
その向こうに丁度隠れてしまっているのは新しく造られた管理所です。
管理所も雪に痛めつけられていた豪雪地帯です。