桜山貯水池 見学 その3

という事で後日、いつものようにやってきました
国会図書館・関西館で文献調査。

見つかりました。
建設省近畿地方建設局姫路工事事務所 著
「揖保川の流れ」1976年

ここに桜山貯水池についての記載があったのです。

※テキスト書き起こしをしてみましたが
どうも複数の作成年代もバラバラの社内文書をまとめてくださったようで
数字の表記方法とか仮名使いとか単位表記とかかなりバラつきがあったので
明らかに変だというところは修正しています。


※転記ミスか、原文が劣化して数字が読めなかったとか
古い文献からの文字の読み解きは大変だし
自分も誤記がないように気をつけていますが…。
数字間違い発見された方はお知らせくださったら書きなおします


桜山貯水池は
“揖保川より直径一メートルの鉄管を通じて揚水し非常用渇水等に対応できるようにしている”
とあります。

ポンプアップで貯水しているとは…。
揚水発電の上池と同じですね。


DamMapsの川だけ地形図で見るとこんな感じです。
入ってくる川は無し
集水域も貯水池周辺の山の尾根をつないで考えると
とても小さいことが分かります。


こちらが貯水池概要。

元々は昭和15年に着工していたのが戦後に再開発されて現在の姿になったようです。
ここには堤高35.0m、堤頂長300mと書いてありますが次のページでは
堤高38.0m、堤頂長351.0mと書いてあります。
多分後から出てくる数字の方が正しいです。
地図上でざっくり測っただけですが。


私自身の書き写し間違いがあるかもです。
単位が間違っているところは直しました。
ただ、見ていてよくわからない数字がいくつもあるのです。

15mも堤高上げて
90m近く堤頂伸ばして
堤頂の幅が4.7mから4.0mになっているのはともかく
堤体敷幅が同じってどういう事?
一体初代はどんな変な形だったの??


洪水吐が設けられていなくて非越流型の重力式ダムだった理由。

集水域が小さくて天候の影響を受けにくいことと
水の出入りは全部管路で管理しているからでした。


揖保川と桜山貯水池と宮田ポンプ場と広畑製鉄所の位置関係です。
非常用のバックアップ水源なんですね。


朝霧が晴れて取水塔がはっきり見えてきました。


水位標らしいものがあります。
水面に近い所が57の数字。
その上は58の数字です。


取水塔の横っ腹で見ると水位はこのくらい。
57にちょっと届かないくらいでした。

「揖保川の流れ」の中には

「洪水時許容最高水位  56.750m
 洪水時許容最高水量  438万5000m3
 設計許容最高水位  57.750m

 降水は6月〜9月に発生
 堰堤規則で6月〜10月は最高水位を56.750mとし
 その他の時期は57.0mと規定している」

という文言がありましたので
通年、水位はこのくらいであるのかと思われます。


堤高38.0mの重力式ダムで
総貯水量が438万5000m3もあるけれど
非越流式堤体で洪水吐がなく
貯水池の水の出入りは管路だけ。

とても特殊なダムであると思います。

姫路に来たら少し足を延ばして会いに来てほしい
桜山貯水池の桜山ダムでした。

 

桜山公園のパーキングの時間に注意


円形大広場の横のパーキングスペースは
時間帯によってはチェーンが張られていますので
注意してください。