佐古ダム 見学 その1

2016/3/21 更新


ふんわり曲がった導流壁。


こんなに曲がった導流壁。


減勢池の壁も曲線多用。


淡路島の成相ダムを彷彿とさせるコンクリートの曲線。


下流面、真向き。

愛媛入りして黒瀬ダム、志河川ダムの次にやってきました佐古ダム。
堤体導流壁が曲線なのです。

漸縮型堤体導流壁のダムを探していて情報が寄せられたので
うきうきわくわくやってきました。


ダムの設計で導流部をどうデザインするか

・直線流下等幅で越流長を短くし越流部の水深を高くとって中央にまとめる
・堤趾型で越流長をとことん長くして越流部の水深を低くする
・漸縮型でじわっと減勢工の幅まで絞り込む

設計の段階でそのダムにとって一番よいデザインはどれなのか検討されます。

そのプロセスが書かれている論文をweb検索で見つけました。
土木学会北海道支部の論文報告集 『東の沢ダム洪水吐水理模型実験』です。


東の沢ダムは北海道電力様の管理する発電用ダムです。
これは設計原案。
堤趾導流壁でデザインした時の図面。

図面を見て吃驚したのがこの改良案。
曲線で絞り込んでいる・・・。
曲線全縮型堤体導流壁。
実は別の100m超級のダムでも
この案がて出ていたというのを見ていたので
なんでこんな変わったデザインが検討されたんだろうかと
不思議だったのですが昭和58年という段階ですでに考えられていて
水理模型実験もされていたのだということに一番驚きました。

断面図がこちら。
堤体導流壁は天端に近いところではあまり高くありませんが
曲線になって縮流がかかるあたりから急激に高さが増していて
減勢工の壁に接続しています。

最終的に東の沢ダムは漸縮型堤体導流壁で作られることになった決定案。
いやーかっこいい。
堤高70m級で漸縮とか。
with Dam Night in 北海道でビジュアル部門を受賞しただけのことはある。

ということで東の沢ダムでも案は出たけど採用に至らなかった曲線全縮型堤体導流壁。

それが実際に採用された事例があるということで
佐古ダムに会いに来たのです。