小丸川揚水発電所上部ダム・下部ダム 見学 その6

一通り説明板を見てから堤体をじっと愛でます。
ほんとに武骨でどっしり男前。

クレストゲートがすっごく大きいので天端からトラニオンピンのところに行くだけで
何度も梯子を渡り歩かねばならない様子。

管理所です。
手前にあるのは巡視艇。

そして天端の横には陸閘。
天端に水が入らないように塞ぐために設けられているようなのですが・・・。

「これ、何の模様でしょうか」
「クマタカが羽を広げた形をデザイン化したもの…です」
「…。そうなんですか…。いや、それより何で天端の貯水池側ですから
パラペットタイプでもいいのにクマタカスリットがあったら
あの陸閘、立つ瀬がないのではないかと」
「そうですよねー」
ごく稀にこういうこともあるようです。
ダムの不思議ポイント。

天端の説明板です。
こちらはかなり専門的な内容ですが紫外線が憎い。

これは平成17年14号台風(T0514)の写真です。
すでに堤体に装備されていたクレストゲートは最大開度。

高欄にあったクレストゲートの銘板です。
高さ16.080mで幅が10.0mの特大サイズのラジアルゲートです。
ちなみに山須原ダムの改造工事で装備される新ゲートはこれよりさらに大きいそうです。
ふふっ。

扉体が大きいのでカメラに収めるのも大変です。

油圧シリンダー式なので巻上機がありません。
とてもすっきりした外観になります。

そして石河内ダムにはコンジットゲートもちゃんとあるのです。
いいですねぇ。
コンジットゲート大好きです。

4つのクレストゲートを支えるごっついぷっといゲートピア兼導流壁のうち
二つが太くなっています。
その下のほうを見ると小さくコンジットゲートの水の出口が見えています。
大きな洪水が来る小丸川ですが中小洪水はもっと頻度が高いわけです。
そして洪水のたびにクレストゲートしかないからと
クレストゲートの越流高まで貯まるのを待つとか
発電したいのに下池の水位が高くて水を落とせないとか
きびきびした運用をしたいのにそれを阻害する要因があるのは良くないので
このコンジットゲートは絶対必要なの!という気合でつけられたのだろうと
現地でニヤニヤしながら見ていました。

減勢工の壁の右岸側にあるこの設備は尾鈴発電所です。

尾鈴発電所は石河内ダム地点から小丸川に補給される
河川維持流量を無駄なく電気にするために設けられた発電所です。
最大出力330kW
最大使用水量1.33m3/s
落差は31.80mです。

貯水池を天端から見たところです。
裸地がはっきりしています。

堤体にも水位変動の痕跡がはっきりついています。
晩秋から春にかけてはもう大変な稼働率になる小丸川揚水発電所。
太陽光発電の普及で稼働率がとんでもなく跳ね上がった発電所。
安定した電気を安全に供給するために必要なもの
不安定電源にも負けないフレキシブルな調節能力
それにこんなにも揚水発電が活躍しているなんて
ここに来るまで不勉強で知りませんでした。
ベースロード電源
ミドルサード電源
そして不安定に頑張る太陽光
その不安定な出力のふらつきで生じる隙間を埋めて
どの発電よりも迅速にきめ細かく対応できる水力発電。
大瀬内ダムと石河内ダムの水の透明度は低く濁っています。
それはほんとにたくさん何度も何度も上池と下池を行き来して
働き続けている証でもあります。
ここで見られたのは
満々と常時満水位近くまで湛えられた貯水池の幸せ水位ではなく
裸地がはっきりと見える活躍水位でした。
ご案内をくださった九州電力の皆様、ありがとうございました。
やっぱり水力発電最高にかっこいいな
と、幸せな気持ちになりました。