佐世保軍水道 岡本貯水池 見学 その2


煉瓦造の取水塔です。
第一沈殿池は堤高が4.6mという事ですので
そんなに深くはありません。


取水塔への渡し橋には清掃用具が綺麗に並べられていました。


取水塔の近くに余水吐のルートがありました。
集水域が小さくとも水源が湧水であろうとも
余水吐は絶対に必要です。


沈殿池周囲に巡らせている水回し水路とこんな感じで合流していました。


堤体を端から見通したところです。


せっかくなので沈殿池を一周させて頂くことにしました。
茂っている木々の根元に水回し水路。
沈殿池の縁を大きな立派な切石が縁取っています。


振り返ると取水塔の裏側が見えました。


岡本水源地は元々、灌漑用の土堰堤があったものを
改修して造成したものだそうです。


その水源は湧水ということでしたのでどこから湧き出しているのかなと
湖面に目を凝らしますがなかなか見極められません。


日が傾いて少し風も出てきたので湧水地点を
目視で発見は無理とあきらめました。


貯水池全周を綺麗に囲む大きな切石。
元々の灌漑用のため池がどんな形でここにあったのか判らないので
護岸と貯水池側の勾配をある程度急にする=貯水量を増やす
という目的で掘削して水槽構造を健全に保つために切石を積んだのではと
現地で考えていましたが真相はわからない。


一周して帰ってきました。
どんどん気温が下がって寒い寒い。


もう一回雲の切れ間からお陽様でないかなと待っていましたが
結局、曇ったままだったのであきらめました。


第二沈殿池にさらさら流れてくるこの水は
第一沈殿池の取水塔から管路で到達している水でなく
水回し水路からでした。

ということは
第一沈殿池と第二沈殿池は別のルートで量水池に到達している模様。


これは三途の川から帰って来た頃に帝都に行き
川崎先生の所にご挨拶に伺った折に見せて頂いた資料です。
ここに岡本水源地の事がほんの少しだけ載っていました。

岡本水源地の諸施設スペック。

佐世保軍水道第一次拡張(岡本水源地)
明治32年(1899)起工〜明治34年(1901)3月完成
堰堤:溜池改造土堰堤
堤高:4.6m、堤頂幅:5.5m、基盤幅:19m(第一沈殿池)
堤高:4.55m、堤頂幅:2.2m、基盤幅:11.2m(第二沈殿池)
有効貯水量:計22,100m3


足元をみると文字の書かれた鋳鉄管の蓋がありました。
右下から『佐世保鎮守府水道制水瓣』と書いてあるように読めました。
海軍さんの水源地。


第二沈殿池と同じく第一沈殿池の湖底もモルタルで固められて止水してあるのかなぁ
元々のため池はどんな形でどんなふうに湧水を貯めていたのかなぁ

色々な疑問は浮かんできますが
謎めいていれば調べたくなるのが書痴の性ですので
また色々似た事例も含めて文献を調べたいと思った岡本水源地見学でした。

次は日が傾いてきたのでかなり焦っていますが
次の見学地、菰田ダムに向かいました。