佐世保軍水道 岡本貯水池 見学 その1

2021/3/11 更新


相当ダムの次に移動してきましたのは岡本水源地です。
以前、この門扉の前までは来ていますが
土砂降りで看板を撮るだけで退散しました。

そもそも、一般非公開の施設です。
本日、見学させて頂いている転石ダムや相当ダムと同じく
希望してもおいそれと見学できる施設ではありません。


門扉の横には説明板です。

佐世保軍水道の整備した施設のうち、最初の貯水池になります。

鎮守府が置かれるという事で最初に整備された水源はここではなく
もっと港に近い郭公藪という場所で取水井を設けて湧水を確保していました。

しかし鎮守府がやってくるという事は人もどんどん集まりますし
水はあっという間に不足し新規水源を次々と開発していかねばならなくなりました。

佐世保軍水道が開発した水源は
郭公藪(湧水)、岡本(湧水)、山ノ田ダム、転石ダム、相当ダムになります。


公式見学できる機会なんて地元の受益者の方向け見学会くらいしかないだろうから
見られないだろうなと思っていたので今回、岡本水源地も見られますよと
連絡を受けて大喜びしていました。


敷地に入って奥へと進み最初に目に入る施設がこれです。
貯水池からの水がまず集められる水槽状の構造物ですので
量水池と思われます。


その向こうに柵で囲まれた円形の施設が見えてきました。

岡本水源地第二沈殿池です。


近づいていくと、沈殿池の周囲に設けられている水回し水路に吃驚しました。
水源から来る水以外の水、周辺の山に降った水などが
貯水池、沈殿池に流入しないように設けるものです。

水利権が厳しい揚水発電ダムの周囲に設けられている場合では
ダム周囲の降雨が貯水池に入らないようにする役目ですが
ここは水道水源なので間違いなく水質管理のための水回し水路です。


山の水は綺麗なものという印象を持つ人が多いですが
水道水より清浄な水はごくごく限られた場所でしか出会えません。

豊かな山ほど動物が多く、その糞尿で山の水は多くの場合
大腸菌汚染されているのです。

また大雨の後に山肌の表面の土砂で濁った水が
貯水池に流入するのを防ぐこともできます。


なんで円形に作ったのか、その理由が全く頭に浮かんできません。


湖底は深いところまで全部モルタルで固められているのか
じーーっと目を凝らしましたが空が美しすぎてよく見えませんでした。


円形の第二沈殿池から少し離れた所に第一沈殿池があります。
そちらにてくてく移動します。


綺麗に草刈りされた敷地に桜並木。
正面に見えてきたのが第一沈殿池の堤体です。


第一沈殿池の堤体です。
土堰堤になります。


堤体に設けられた石段を上って行きます。


第一沈殿池です。
堤体は土堰堤なのですが貯水池側には美しい切り石が並べられています。
貯水池側の勾配も下流側に比べて明らかにきついです。

何に似ているかというと久米田池の堰堤の寺勾配くらいの傾斜。


取水塔が見えました。
地元の簡易水道の水源にもなっていると敷地の外の説明板にありましたが
現役河道施設です。


第一沈殿池貯水池全体。
周囲はこんもりとした森になっていました。
とてもメルヘンチックです。