尾口第一ダム 見学 その6


堤体の下流面には本当にいろいろな顔がありました。

穿たれた堤体。
その窪みに溜まる水。

コンクリートプロテクターが貼られたゲートピア。
水が落ちる部分には幾重にも重なる歴代の補修の痕跡。
その補修された部分もまた摩耗しています。

竣工した時にはなかった洗掘がこんなに堤体の形を変えました。

コンクリートの鉄筋があちこちに飛び出し
表面を削られ続けたために姿を見せていました。


水の中で弄られるように見え隠れする鉄筋。

今、この流れでも何万分の1mmずつ堤体は削られ続けているのでしょう。


竣工してからコンクリートの形を変えずに残っている部分は色が素晴らしいです。
このゲートピアの階段は見事でした。

ゲートを映すカメラと照明がすごく新しいのですが
違和感を感じるほどではありません。


撮影を続けていると車が何台かやってきて堤体を渡り
左岸の堤体一体型管理所の上のスペースに次々、パーキングしていきました。
地元の工事業者の方と北電の関連企業の方のようでした。


ミーティングが始まったようなのでここで引き上げることにしました。
堤体の改修は非出水期に行うと思うので発電所の方の作業だったのかもしれません。


豊富な水
そして水と共に流れ来る土砂

視界に崩壊地は見当たりませんでした
ただ、緑が美しく湖面を縁取っていました。

でも確実にこの場所に土砂は押し寄せています。
長い月日をかけて堤体を傷つけています。

バトルダメージ

現場で浮かんだ言葉はそれでした。

戦闘で傷ついた車両
その装甲についた傷

ベースキャンプに戻った車両にかけられる声

「あぁ、また派手にやられたな」
「中はやられてないし、たいした傷じゃない」
「昔の物は頑丈に作ってあるからな」
「装甲貼り替えたらまた出るよ」
「大事に使えよ」
「当たり前だ」

そんな妄想がまた現場で頭に浮かんでいました。

古くて
あちこち傷んだ堤体
でも一番素敵なことは
現役で働いていることです。

北陸電力の方が手をかけて大事にして下さっているお陰です。

国内屈指の急勾配河川、手取川水系尾添川で頑張る尾口第一ダム。

まだ第一線で働いている事がとても嬉しい見ごたえのあるダムでした。