西平ダム 見学 その4


やっぱりこのあたりから見あげるとかっこよさ満開です。
5番ゲートはなんだか凄く、使われてるだろっ♪て感じが漂っていますね。


そして複雑な減勢工。

川の流れと同じ向きに仕切りが入っています。
導流堤と呼べばいいでしょうか。

そしてその導流堤に何やら不思議なものが…


これです。
渦ができています。
お水がここに入って行きます。

「これ・・・なんですか。なんか・・水が吸い込まれてますけど」
「左岸に灌漑用水をサイホンで送って居るんです」
「サイホン!?灌漑用水?」
「水利権の関係で設置したものでしょう。現役ですよ」


なんとなんと!!

西平ダムの減勢工にはその下にトンネルがあって
発電所が水車を回した後のお水の一部はこのサイホンを使って
トンネルで左岸に行き、そこから用水路に流れる仕組みになって居たのです。

昭和15年竣工のダムなのにー
凄い技術だー


これが左岸の取水ゲート。サイホンの出口。
灌漑用水はここから左岸の田畑に送られるのです。


発電所建屋の横から眺めるとこんな感じです。

まず発電所にお水がきます。
発電所で水車を回します。

水車を回した後の水は導流堤の手前に吐き出されます。
導流堤の下流には角落としがあって水位は高めに維持されています。

で、ここに一定の高さで水位が維持されている事でサイホンの呑口の水が枯れない様になっています。

そして導流堤の向こう側には副ダムと魚道です。
お魚はここから遡上して来て発電所の水が出てくる方に回り込み魚道入口に到達するのです。


省スペースでやりたいこと全部やりましたって感じですね。
これは凄いデザインです。

導流堤が有ることのもう一つのメリットは
発電所の放流管に対する水流もあるかなと思います。

西平ダムは流域の雨量が多い揖斐川のダムらしく
わりと放流しなくてはならないダムですし
放流水が発電所の放流管にプレッシャーをかけないように
導流堤がカーブして水が行き難いようにしてあります。

これはきっとゲート放流の水をなるべく発電所の方に行かせないための工夫。
(だと思う)


様々な工夫が凝らされた西平ダム。

揖斐川防衛隊の下流に控える発電ダム。

発電ダムだからと流入量=放流量というような雑なゲート操作は行われません。

西平ダムは洪水時には揖斐川防衛隊と綿密な連絡を取り
繊細かつ正確なゲート操作を行う事でマニアの中では一目置かれる素晴らしいダムなのです。

西平ダムは2009年にコントロールルームが新しくなりました。

ゲート操作をすべて人がしていた時代からダムコンでの管理が始まり
ダムコン用に様々なソフトが開発されてきました。
そして人員削減とゲート操作の無人化が進みました。

 しかし、ダムのゲートは人が川を見て、人が判断して、人が決断して行うべきもの

そう考えた中部電力が用意した最新型のダムコンは
人が決断する時に必要なデータを最も適切に知らせる事が出来るように工夫されたものなのです。

そしてここには中部電力の訓練施設で特訓を受けたオペレーターが配置されています。

西平ダムは揖斐川防衛隊の一員なのです。



ダム便覧の用途に入っていませんがこっそり灌漑用水も確保してくれている働き者です。

控え目に自分の役目をきっちり果たす
ベテランの仕事という物をさりげなく見せてくれる
揖斐川防衛隊のしんがり・熟練技術者・西平ダムでした。

 







殴られるかな

殴られそうだが

個人的揖斐川ファミリー擬人化



徳山ダム
体格が良くて背が異様に高い眼鏡の20代

横山ダム
胃弱・寡黙・痩せすぎ・すだれ前髪の30代半ば

西平ダム
口髭・若白髪短髪・徳山より少し低い位の背で体格の良い50代

久瀬ダム
紅一点・黒髪ショートカット・スレンダーな20代女性

高橋谷ダム
年の割に背筋の伸びた元気なお爺ちゃん


後輩の徳山ダムと中部電力ファミリーから
日々、労られている横山ダム。
身体大事にしなさいねと皆に大事大事されている横山ダム。



横山ダムがどうしても過労気味だという印象が発端です。
ぶたないでください・・・。