猫又堰堤 見学 その6


そして河原から猫又谷の方に近づかせて頂きました。

気になる構造物があったのです。
黒部峡谷鉄道はこの構造物の中をトンネルにして通っていきます。


トロッコからはこんな感じで見えます。


傍までやってきました。

立山砂防見学会でも似た物を見ました。
自分の中では“猫耳砂防”と勝手に呼んでいる物。

「これは…砂防堰堤じゃないし…なんという構造物なんですか」
「名称は“埋め戻し工”です」
「えっ…。“埋め戻し”?どこを埋めてるんですか?」

理解するのに時間がかかりましたが
詳しくお聞きしたところ


説明を受けて物凄く簡単に書いたイメージ図。
くれぐれも素人が描いたものなので信用しないでください。

崩壊が起きた猫又谷自体も土砂でものすごく谷底が上がっているんだそうです。
黒部川本川でこれだけ堆積しているのですからよく考えればその通りです。

黒部峡谷鉄道の軌条も流失してしまいました。


猫又谷はこの埋め戻し工があるので
トロッコからも黒部川の高さからも直接見ることはできません。

猫又駅の次の鐘釣駅に着く直前に見る事が出来る不帰谷です。
猫又谷もこんな風になっているのじゃないかと思って写真に撮っていました。
崩壊土砂は出水の度にどんどん出てきますし
黒部峡谷鉄道は黒部川の生命線なので安全に再開される必要があります。
猫又谷も不帰谷と同様に土砂の流出が多いので黒部川の合流点では
巨大なボックスカルバート構造で中を鉄道が通れるようにして
猫又谷からの土砂でカルバート下の水路が埋まっても
上には導流壁つき流路があり、土砂や水が黒部川に到達できるように
設けられたものがこの構造物でした。


見学中にもトロッコ列車はかたんかたんと走っていきます。

観光トロッコの車窓から
本当に僅かな時間しか目にする事は出来ない
黒部川第二発電所と猫又堰堤跡

かつての猫又堰堤は土砂の下にあり
近づいてもその姿を見る事はできません。

しかしそこに在るのです。


黒部峡谷鉄道で出し平駅を過ぎてから猫又駅までの間
トロッコから猫又堰堤と黒部川第二発電所を見る事が出来るのは1分足らず。

黒部峡谷の渓谷美を愛でる
美しい黒部川の水を愛でる

その間に
わずか1分でも
目に飛び込んでくるこの場所

黒部川の力を
黒部川を襲った大災害の脅威を
天端橋梁として残る目黒橋が堰堤の場所を知らせ
わずか1分で語る事が出来る場所
それがこの場所なのです。

2015年3月14日
北陸新幹線が開通しました。
関東方面からも沢山の方が
黒部峡谷鉄道に
今まで以上に来てくれるんじゃないかと期待しています。

そしてその時に
ここにあった堰堤の残照をとらえ
復旧のために続く工事を目にしてほしいのです。

今も確かに続く“くろよんスピリット”を感じて貰えると思うのです。

関西電力様
出し平ダムに続いて特別に見学させて頂き本当にありがとうございました。