鳴子ダム 見学 その1

2018/2/11更新


青下3兄弟を堪能して、ほくほくしていたら
突然、今回の仙台ダムめぐりで私を積載してくださっている
ダムマイスター仲間の炭素様が仰いました。

「鳴子、行きましょうか」
「えっ…!」
「時間なら大丈夫ですよ〜」
「えっ・・そんな・・すごく行きたいけど・・それを頼んだら、私、図々しすぎやしませんかっ(汗」
「せっかく東北まで来てるんですから〜♪」


ということで図々しくお願いしてしまいまして
いつか行きたいけど行く機会をそもそも作るのも困難で
具体的な見学を一度も考えたことがなかった
東北地方が誇るアーチダム、鳴子ダムに連れてきていただいたのです。


まず目指すのは天端です。
天端に進む道の途中で土木学会選奨土木遺産のプレート発見。


平成28年度の選奨土木遺産です。
平成27年度は島根県の三成ダムでした。
国内のアーチダム黎明期の堤体が続けて選ばれました。
うふふふふっ。


まだ天端は遠いんですがちらちらっとクレスト部は見えています。


てくてく進んでいくと次に現れたのはハウエルバンガーバルブです。
竣工時から昭和62年まではたらいでいた初代のバルブ。

小さい方のプレートにはきちんと「非常放流用」の文字がありました。
ああ、なるほど。
このバルブが設置されているところはかなり低いところなんですね。

貯水位を限界まで下げなくてはならない特別な時にだけ使用する物として
各地のダムでも非常用にゲートではなくバルブが備え付けられているところは
割と多いのです。

水位を限界まで下げなくてはならない時とは
堤体の工事や点検の時であることがほとんどです。

もちろん、下流に水を補給する手段としても使えますので
操作規則でキチンと用途を定めてもらっていたら
非常用でなく常用として使えますし
あまりこの非常用の文字にとらわれ過ぎると逆に混乱するかもです。


さらに進んで堤体がしっかり見られる場所にやってきました。

「おおおおお」
「凄いきれーい」
「見事な極薄定半径アーチ」
「大倉といい鳴子といい極薄定半径、一日に見て贅沢極まりない」
「ええのう〜♪何という滑らかさ。上品だー。和風だー。和服美人だー」

興奮しすぎで意味不明の言葉も飛び出すし止まらない。
鳴子ダム、うわさ通りのとびきり美人だっ♪


右岸側の護岸工と堤体の間の接続の段、一つ一つはかなり巨大なはずなのに
鳴子ダムがのっぽなのでちんまり可愛らしく見えるマジック。


そして多分これは土木学会選奨土木遺産に選ばれた後
特別見学で減勢工まで入ることができるツアーとかも組まれたそうで
今後の見学に備えてコンクリートで作っちゃったのかなという階段。

クレスト越流したらここは水が来ますから
仮設の鉄パイプ階段でもよかったはずですが
コンクリートで作っちゃったということは
今後、減勢工まで行くことができるツアー、増えるのかもと期待。