ナンノ谷砂防施設群 見学 その3


モニュメントを過ぎてさらに奥へ進むと大きな建物が現れました。
坂内バイクランドのセンターハウスです。


このようにナンノ谷の砂防とバイクランドと夜叉が池の説明板も立っています。


ナンノ谷砂防の中核、ナンノ谷床固工の説明です。

ちょっと簡単ですがいきなり専門的な事を山のように書いても
退かれるだけなのでこれで興味を持ってもらって詳しいことは
ナンノ谷大崩壊砂防展示館の方を見てくださいと。


このエリアの砂防施設群が全部書いてあるこの説明板がパーキングの横にあります。
エリアが広いのでここでチェックしてから堰堤を見に行くとよくわかるかなと思います。

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山から流出する土砂の貯留や調節、渓谷の岸や河床の不安定土砂の二次移動を抑制するダムを砂防ダム(砂防堰堤)といいます。

土砂を下流に逃がすことのできる透過型砂防堰堤と不透過型砂防堰堤に大別されますが
いずれも土石流、流木をダムで捕捉して下流への流出量を減少、到達時間を遅らせるという働きを持っています。

透過型砂防堰堤はスリットが入っていたりして急な土砂の流出を防ぎます。


これはスリットタイプ。
福井県大野市の智奈洞谷川第2号堰堤。


これは鋼製スリットタイプ。
高知県大川村の朝谷第3堰堤。

スリットのあるタイプの主目的は土砂などの捕捉です。
捕まえるの♪

不透過型砂防堰堤は土砂を貯留します。

それを見て「土砂で埋まっているのに何で取り除かないんだ」という言葉が
堰堤を見た方からよく寄せられるそうです。

これはダムという名前で水をためるという物がイメージされ
水をためるところに土砂がたまっている→役に立たなくなっている
という認識から生じていると思われます。
かくいう私も砂防を勉強するまでは思いっきり勘違いしていました。

貯水ダムと不透過型砂防堰堤は全く違うのです。
不透過型砂防堰堤は土砂を貯めて初めてその効果を示すのです。

土砂を貯めて河川勾配を緩くする。
傾斜を緩くすることで崩れを防ぐ。

砂防には地形や地質に合わせて色々なタイプの堰堤があるのです。


これは越美山系砂防事務所から頂いた資料です。
これのお陰で現地で分からなかった事業の詳細が分かりました。
越美山系砂防事務所の方、ありがとうございました♪


ナンノ谷崩壊地の中核となる床固工。

山が大きく崩れ
土砂がせきとめた河
そしてその土砂は不安定のままでは再び流れ出す危険があり
下流はずっと土石流の危機にさらされてしまいます。

流出を抑えるために土砂を安定させるために
この場所に施された工事
それが床固工です。

かつての崩壊地を安全に場所変えた砂防事業。
たくさんのオフロードライダーの方に使われている場所になりました。

このエリアに来たらぜひ見ていただきたいナンノ谷砂防施設群でした。