名塩ダム 見学 その1

2021/7/11 更新


令和2年7月に開催された
「武庫川の総合的な治水対策シンポジウム」
のポスターです。

こちらのシンポジウムで聞いたことのないダムが紹介されていました。
西宮市にある名塩ダムです。


シンポジウムで紹介された名塩ダムの治水活用の説明です。


名塩ダム、ちゃんと堤高15.0m以上でハイダムです。
ただ、2008年(平成20年)に水道水源としては運用を停止していました。

なので、のんびりダムとして余生を送ろうとしていたところに
まだまだ、再任用で治水で働いてもらいますよ〜♪
と、OBを前線に引きもどしてきた感。

いや、早期リタイヤは許さない♪
マンパワー不足してるのよ働け働け♪
という感じかもしれない。


どういう工事が行われるかというと
現在1門あるクレストゲートを撤去してゲートレス化。
そして越流長を狭くして切り下げをして逆凸型にするというもののようです。

この逆凸型のクレストゲートは貯水位の上昇に応じて
急激な放流量増加を滑らかなものに出来るという事で
常用と非常用を一つのゲートで賄おうという考え方ですね。

貯水位が上がるまではダムから水が出ていなくて
越流高超えると水が出始めるわけですが
この時、最初は少しずつ出て、徐々に増えていく方がよいのです。

全く水が出ていなかったところにいきなりどんっ!! と水が来ると
水位の急激な上昇につながり、危険です。

ゲートのあるダムやバルブの操作では下流の水位を見ながら
繊細なコントロールが可能ですがゲートレスはダムにお任せです。

なので水位の上昇が滑らかに増えていくようにと考え出されたのが
逆凸型ゲートレス洪水吐だと聞いたことがあります。



地図で位置を確認して名塩ダムにやってきました。

令和3年4月の段階ではまだ工事が始まっていなかったようですが
5月になって工事が始まったようです。

放流設備(余水吐等)の改良工事と看板が出ていました。


ダムへの道は未舗装でこんな感じです。
前日に雨が降っていたのでぬかるみたくさんありました。


15分くらい歩いて到着。
天端の気配がちらり。


絶賛工事期間中だったので天端には工事車両がいっぱいでした。
早朝なので、作業の方はまだお越しになっていません。


少し貯水池側に進んでみました。
貯水位は低く抑えてあるようです。
ゲート工事中ですから。


ゲート部分で貯水池の水をポンプで下流にパスさせているようです。
何本もホースが見えていました。


越流部の切り下げが始まっているのかという詳細な情報は
この木立の間からは見てとれません。
工事終わったらまた見にくればよし。


天端の横に直下に降りられる階段(?)がありました。
蛇とクモの巣に気をつけつつ足元注意で降りてみます。


天端から直下に謎の鉄梯子。

いや、普通に階段で下りるほうがはるかに安全で楽だと思うけど。
何故こんな謎の物が…。


水道用の貯水池という事ですので
直下にある建物は浄水場関連の建屋かと思われます。


洪水吐からの水が落ちています。
この感じからすると水叩きの両側は埋め戻しの盛り土ですね。
この深さよりさらに下が基礎岩盤でしょう。


直下から見た堤体ですがビュー悪過ぎ。


とりあえず工事が終わったらまた来ることにして
この日は引き揚げました。