室生ダム副ダム 見学 その1
2011/10/11 更新
2011年 8月31日から9月5日にかけて
台風12号(タラス)が日本各地に甚大な被害を出しました。
特に紀伊半島では記録的な豪雨が続いたことにより
河川水位が上昇
土砂崩れが多数発生し
流出した樹木が橋脚に捕捉されての洪水
河道閉塞による天然ダムの形成
堤防の決壊
と、ありったけの降雨災害が押し寄せたかのような状況になりました。
明治22年(1889年)の十津川大水害を超えるほどの災害です。
日本一雨が降る奈良県大台が原の雨量観測点では累計雨量が2430mmという
信じられない雨が降ったのです。
そんな中、各地のダムは必死で仕事をしていました。
利水ダムはダム湖に流入する以上の水を出さないためにゲートを操作し
洪水調節機能を持つダムは下流に洪水を起こさないために必死の操作を続けていました。
そして
ダム湖の貯留キャパシティを使いきって但し書き操作に移行したダムもいくつかありました。
自然の前に
人の力で人を救うため
各ダムは力を振り絞ったのです。
◆ ◆
紀伊半島の被害がTVのニュースで、新聞で報道される中
小さな記事が光明のように目に飛び込んできました。
それは奈良市の水を支えてくれている布目ダムが頑張った記事でした。
水資源機構 関西支社 木津川ダム総合管理所の発表は以下のリンクをご覧ください。
高山ダムの防災操作
布目ダムの防災操作
青蓮寺・室生・比奈知ダムの防災操作
2009年10月7〜8日にかけて近畿地方を襲った台風18号(メーロー)で
三重県の名張市に置いて洪水を防いだ青蓮寺・室生・比奈知の3ダムは
この台風12号(タラス)に対しても連携操作で名張を洪水から守りました。
ハイドログラフを見て、凄いな〜よく頑張ったな〜
と、ほろりと来ていたのですが
その時に
あ・・
これ、知らない人には分かりにくいだろうな・・
と、思ったところがありました。
これがその室生ダムのハイドログラフです。
グラフ内に水資源機構の方がきちんと注釈を付けているピーク。
そこには「副ダム転倒」の文字です。
副ダムというと通常、堤体直下の減勢池を形成する部分にあるものを差す事が多いです。
これが比奈知ダムの副ダムです。
室生ダムも当然、堤体直下に副ダムを持っていますが
ダムからの放流が凄すぎてそれがぶっ飛んだというわけではありません。
こんな素敵な堤体が室生ダムの上流にあるんです。
話には聞いていましたがきちんと写真に撮ってもいなかったので行ってきました。