T1318と宮川ダム その3


No.1ゲートロストで放流の真向きの図。

このようにNo.2、No.3のゲートも一定開度で固定されています。
このゲート下端に水位が達するまでは基本的にゲートレスのダムと同じで
3門から仲良くバランスよくさらさら放流になります。


在りし日のNo.1ゲート。
この真っ赤なゲートがとにかくカッコよかった。
新しいゲートも同じように真っ赤になるそうです。
楽しみ〜♪

そして上流側は真っ青なのでこれも同じカラーリングになるかなと期待♪

宮川ダムのHPでは大台ケ原の麓ならではと思える
ダム管理所の洪水時のリアルなお話が掲載されているので
ダムマニアにはこっそり人気だったりします。

そんな大変な宮川ダムで既往最大の洪水調節が行われたのは
2004年の台風21号でした。

2004年は台風イヤーで全国で被害が多発しました。
近畿地方でも大変な被害が出ました。
前線による水害では7月の福井豪雨(真名川ダム大活躍しましたが足羽川で悲しいほどの被害)。
北近畿水害を引き起こした台風23号(大野ダムが本則操作を離れて絞込みをしたけど福知山で浸水)。

これが台風21号の進路です

三重県、特に大台ケ原の南と東で大変な降雨をもたらしたのです。


これが宮川ダムHPで公開されている2004年台風21号(T0421)のハイドログラフです。

とんでもない数字が出ているハイドログラフなのです。
横の目盛がちょっと桁違いに大きい。

下流の基準点水の実績水量にいたっては7369m3/s!!

9月29日の9:37に但し書き操作に移行しています。
但し書き操作の直後の9:50で最大流入量は4011.34m3/s。
この山奥で4000t/s超えって・・・。

信じられない降雨が宮川ダムを襲ったのです。

下流の三瀬谷ダムでもダム下流の発電所の機器が
流失するという大変な被害が出ました。

宮川ダムへの道は崩落し
この時に完全に孤立してしまいました。
その時の様子もHPに掲載されていて
災害時のダムの様子を知ることができます。

管理所の人たち、怖かっただろうなと思います。


大変な目に遭った宮川ダムは
この後、操作規則を変更して洪水期には事前放流が出来るようになりました。
流入量が600t/sに達したら一定率で洪水調節を開始し
1500t/sでピークカットとなっています。