美和ダム 見学 その5

会場の端の高遠ダム湖側に設置されていたイベントスケジュールです。
湖上巡視体験、ダム探検、洪水バイパストンネル探検の総合受付とスケジュール表。

会場ではダムに行かなくても勉強できる実験装置などが配置されていました。
これは砂防ダムの効果を実際に目にする実験装置です。
富山県の立山カルデラ砂防博物館でも同じものを見ました。
この実験は凄く準備に時間がかかるんです。
一生懸命、模型を並べて土砂の代わりの小石を積み直して
本当に手間がかかるんです。
そして準備を一生懸命している職員の方の苦労が見えない
小さな子供たちが模型と一緒に並べられているミニカーを
手にとって遊び始めるというほほえましい光景がありました。

そしていきなり行列ができる大人気。
豪雨体験設備です。
これは子供にインパクトあると思います。
この機械をもって来るの大変だったでしょうね。

そしてダム関係の総合受付。
黄緑色のポロシャツを着ている人がスタッフだというのはわかるんですが
先ほど美和ダム管理所の前で確認したとおりスタッフポロシャツを着ている人が
すなわち管理所の方、国土交通省であるとは限らないのに困惑。

でもとにかく、一刻も早く排砂バイパストンネルに入りたい自分は受付に並ぶ。
そして一番に名前を書き、整理券をゲットしました。

申し込みをした後はわくわくパネル展示に向かいます。
ここでしっかり事前学習しなくては。

いきなりインパクトのある写真。
排砂バイパストンネル運用中の生写真。
日付を見てびっくりしました。
今日は7/21。この写真は6日前の7/15のものです。
先日の梅雨前線と台風で大荒れになった時に
排砂バイパストンネルは活躍していたのです。
さっき現物を見た時は凄く奇麗だったけど・・
泥水がこんなに押し寄せたら工事現場の重機や路面みたいに
どろどろのげちょげちょのびちゃびちゃの凄い状態になっちゃわないのかな?
なんであんなに奇麗だったんだろう。
泥汚れ一つついてなかったよ。
まさか・・・イベントに備えて徹夜で清掃?
必死で資料を見ていると国土交通省・三峰川総合開発工事事務所の所長様が
直々に解説をくださいました♪

排砂バイパストンネルの全体図です。
排砂バイパストンネルは美和ダムの上流に設置された貯砂ダムで土砂をせき止めます。
そこで大きな粒の土砂と、水に漂う細かな土の粒子・ウォッシュロードを分けます。
貯砂ダムを超えたウォッシュロードを含む水は水に沈む大きな土砂以外
流木などと一緒に、次に設置されている三峰堰に到達します。
三峰堰ではまず流木をスクリーンで止めウォッシュロードを含む水だけをバイパストンネルに取水します。
そして下流側にバイパストンネルを抜けて水が到達するという事になっています。
通常の洪水時に常用洪水吐ゲートでコントロールする分の水が
排砂バイパストンネルで下流側に出ると考えるとわかりやすいかなと思います。

上流の水の濁りと下流の水の濁りを測定したグラフです。
ほとんど同じ線を描いていることに注目。
自然な状態と同じという事です。
ウォッシュロードはすぐに川底に沈んでしまう粒の大きな土砂と違い
何日も水中に沈まずに漂い川の濁りの原因になります。
濁った川の水で何が問題なのかというと漁業への影響なのだそうです。
鮎など澄んだ水を好む魚に濁水はNGなのだそうです。
そして美和ダムにとって大敵なのは大きな粒子の土砂でなく
実はこのウォッシュロードの方だったのです。
美和ダムに堆積している土砂の8割がこのウォッシュロードなのだそうです。
なのでこれ以上堆砂を進めないためにこのバイパストンネルは頑張るのだという事でした。
ここで実はかなりショックを受けました。
このバイパストンネルは現在、美和ダムを苦しめている
すでに貯まった堆砂を緩和するものではないという事にでした。
自分は勝手にこのトンネルが美和ダムを生き返らせる
堆積土砂を下流側に移動させられるものだと思い込んでいたのです。
浚渫のようにきっちり治水容量に返ってくるものを期待していたのです。
浚渫して治水機能を元通りに回復してほしいと思いましたが
やはり浚渫は凄く金食い虫なのです。
このバイパストンネルは一度作ってしまえばランニングコストはほとんどかかりません。
そして今後の堆砂を防ぐことができます。
そういう意味では画期的な対策だと感動するのですが。
でも
ちょっとだけ寂しかったのです。
きちんと説明を受けたおかげで勘違いしたまま見学に行く事態を避けることができました。