三浦ダム 見学 その4


続いてエレベーターで直下に下ろして頂きました。


外が寒かったのでわずかに監査廊の中の方が暖かかったです。


「あのブルーシートですが…」
「何が隠されているのでしょう」
「“中乗りさん”という日本酒を造っている蔵元がありまして…」
「あ、道中、看板とか見ました」
「その日本酒を熟成中です」
「えっ!!日本酒熟成、三浦ダムでもやっているんですか」
「はい。3年くらい熟成させるものもあるとか」
「一般に販売されるんですか」
「あっという間に売り切れたそうです」
「うぁぁぁ!!羨ましいっ。購入したかったっ!!」

ダム熟成酒、ホントにあちこちのダムで行われるようになってきました。


少し歩いたところでものすごく狭くて細い
人一人が精いっぱいの通路がありました。
右岸の発電所への通路だそうです。


どんどん歩いて行くと空気がふわっと変わりました。
堤体の中より空気が冷たくなっています。
目の前に冬季歩廊の鉄板がちらり。


歩廊の扉を開けると冷たい空気がきゅっと肺に入ってきました。
直下の広場に到着です。

逆光ひどすぎ。
まともに撮れない。


とりあえず堤体に近づく。

左岸のアバットメントには段がわずかに見えています
昭和10〜20年代の重力式ダムだったら
フーチングはもう造られるようになっていたかな…。
落ち葉などが堆積して下からは境目が見えにくくなっていますが
ちゃんと段があるのです。


三浦ダムはブロック柱状工法で造られたダムです。


大正期、昭和初期のダムに比べると
やや、下流面の勾配は緩くなっているように見えますが
今の重力式ダムの勾配と比べるとやはりずっと勾配はきつく
堤体は細身でタイトです。


ダム式の三浦発電所になります。
建物が白くて綺麗なのは新しくなっているからです。


ここに見えている二条の吐口が放水管です。
写真に撮れませんでしたが
この下にもう一つ口を開けているのが排砂管になります。


著しい逆光でしたが
ここで記念写真を撮っていただきました。

関西電力様のハイダム、本日コンプリートしました♪

木曽川水系王滝川の最上流
6500万m3もの貯水池をもつダムが
人里離れた山の奥の奥に在り
竣工してから74年になるこの令和元年に
今も竣功時から変わらずに
満々と貯水池に水を湛えていました

この貯水池の水が発電機の水車を回します。
三浦発電所で水車を回した水が
今渡ダムに到達し今渡発電所と美濃川合発電所で水車を回すまで
長い長い木曽川で電気を生み出し続けてくれるのです。

木曽川は最上流から全ての落差を発電に生かすことに成功している
国内でも数少ない大河川です。

そして三浦ダムは一年に一度
貯水池を空にして堆砂に対応できる装備を有し運用されていました。

勿論、お天気によっては水位の運用が変わり
空っぽにできない年もありますが。

これからもこの人の暮らしから遠く離れた深山で
人の暮らしのための電気を生み出して頑張ってくれるのです。

御案内くださった関西電力・木曽水力センター様、ありがとうございました。

維持管理、運転、すべてが大変だと思います。
どうぞご安全にダム管理が日々、進められますように
道路が災害で落ちないようにお祈りしています。