水窪ダム 見学 その2


堤体真向を見られる展望台にある説明板です。


標準断面図を見るとシンプルなセンターコアフィルですが・・・


ダム軸展縦断面図を見るとわくわくが止まらない事がさりげなくたくさん書かれていて素敵♪
水窪ダムは大白川ダムと同じトンネル式の洪水吐を備えているんです。

洪水吐のトンネルの他に
放流路とさらに少し離れて通廊もある。
通廊は堤体下流への通路でしょうから分かりますが
放流路というのはなんだろう。
洪水吐水路はあくまで非常用だから水位高い時しか使えないし
発電用の取水口はこれとは別だし
なにか必要に駆られて水位低下をしなくてはならない時に備えてのものなんでしょうか。

後日、水窪ダムを管理しておられる電源開発の佐久間電力所にお聞きしたところ
水位低下用バルブの放流路であるとのことでした。

満水位 EL505.00m
低水位 EL465.00m
利用水深は40.00m
と書かれています。

堤頂長は258.00mですがここに「曲線長」とあります。
またまた嬉しいポイント。
水窪ダムは大黒谷ダムと同じく、ぐぐっと堤体がアーチ状になっているロックフィルダムなのです。

天端標高はEL510.00mで、その横に「余盛0」の文字があり現場でうひょっ♪となりました。

多くのロックフィルダムで天端の中央を両端よりも高く盛る余盛が行われます。
でもここはそれが無いってことなのでしょうか?

こちらもでんぱつ様にお聞きしたところ余盛はちゃんとありますとのこと。

そうですよねー
ロックフィルですもんね
余盛なしってことあり得ませんよね。

でも築44年で堤体も落ち着いて目立たないのではというお答えでした。
この図は余盛0の高さに落ち着くとこうなりますという事で描かれているようです。
正確に書きたいこだわりですね〜。素晴らしいですね〜。

そして堤体のシンメトリーっぷりが際立ってます。
綺麗なV字谷に造られたロックフィルですね。


水窪ダムでためたお水は水窪発電所で電気を造り
その後、佐久間ダムのダム湖に入ります。
何度も電気を作り出す水のパワーです。


展望台から左岸に移動してきました。
この先は林道があるらしいのですが災害復旧ができていないのか
通行止めになっていました。
このあたりは広々していますので車を停めるのに問題ありません。


そして左岸アバットメントに気になるものが。

わざわざ階段が着いていて
立ち入り禁止チェーンが張ってあって
屋根つきで
屋根の下にあるのは頑丈そうな鉄の台座


多分これは天端の変異を観測するための機器を設置する
定点観測用の台座であろうと予測。


大きなダム名碑も左岸にありました。


そして展望台にあったのとは違う図の説明板。
水窪発電所は最大出力50000kWの発電所。
年間で1億5800万kWHとか桁が大きすぎてわくわく。


でんぱつ様のダムでよく書かれている流域の施設概略図。

退色しているせいか経路を追いかけていると
どれが川でどれが山なのか分かりにくくなっちゃいます。

来る途中で見た巨大な送水管は灰の沢水路橋という名前のようです。
あちこちからお水を集めて発電所に送っています。

“がいきょ”って何でしょう
外渠?
開水路の事かなー

これもでんぱつ様にお聞きしたところ
“蓋渠”が正解でした。
蓋をしてある水路ですね。ボックスカルバート。