御母衣ダム 見学 その8

くるくる館内をめぐって二階から見下ろすと、以前もこれを見ながら構造を理解しようとしていた模型が。
模型を見て謎が解けるかも♪と一階に降ります。
模型をじーっと眺めましたが謎は解けない・・・。
でんぱつの方、さっき、事務所の方にお越しになっていたような気がする…。
でんぱつの方にお聞きしたら教えて貰えるよね〜。
と、事務所に行っておはようございます。
「おはようこざいまーす♪」
「おはようございます」
「すみません。ダムの事で質問があるんですが」
「はい」
「洪水吐なんですけど、取水塔の横あたりに大きなローラーゲートがありますが
あれが常用洪水吐だと聞いているんですが」
「はい。そうですよ」
「え、でもどこにお水流れるんですか。スキージャンプの方に出てこないですよね」
「トンネルでスキージャンプの横に出てくるんですよ」
「え!トンネルなんですか!」
「工事の時に造った仮排水トンネルという物がありまして」
「はいはいっ」
「2本ある仮排水路の1本を常用洪水吐の水路として使っているんです」
「えええええっ!仮排水路トンネルをバキに使用っ♪すごーいっ♪」
説明を下さったのは御母衣電力館の館長様。
「こちらの図でご説明しましょうか」
と、館内展示物で御母衣ダムの構造がわかるパネルの前に移動。

御母衣ダム平面図。
右側が上流ダム湖、左側が下流になります。
「取水塔は判りますね」
「はい。これですね」
「取水塔からの水はこのルートで地下発電所に向かいます」
「はいはいっ♪」
「常用洪水吐に使用している仮排水トンネルはここを通っています」
「ほほー♪」
「トンネルの出口はここです。スキージャンプの横なんですよ」
「後で見てきますぅ♪」
「この線はなんですか」
「監査廊ですよ」
「え゛!監査廊!あるんですか」
「・・ありますよ?」
「え、でも国内初100m超級ロックフィルですよねっ」
「はい」
「牧尾とか監査廊ないですよぅ」
「・・御母衣はありますけど・・そういえば九頭竜もないですね」
「御母衣より後にできたダムでもなかったりするんですか。
建築年代によるのか堤高によるのか監査廊がある場合と無い場合との基準が解らないです〜」
国内初100m超級ロックフィルには監査廊がありました。
しかし、その後造られたロックフィルダムでもあったりなかったり
最近では堤高がそんなに高くなくても監査廊のあるロックフィルもあるし
とにかく不思議。

説明をいただいてキャーキャー騒いでいたポイント。
「監査廊のこのくるくるしているところはなんですか」
「ここは螺旋階段です」
「螺旋階段っ!奥只見とお揃いっ!」
「工事の時に造った立坑のスペースを利用して監査廊の階段にしたんです。
奥只見にある螺旋階段は立坑を使っているわけではないと思いますよ」
「おお、そうなのですか。でもでもっ素敵素敵素敵♪
仮排水路といい立坑といい素晴らしい有効活用されているんですねっ。
さすがでんぱつ様のお堤体♪」
工事の時にクレーン橋脚として造られたアバットメントが展望台に利用されているだけでも喜ぶ私にとって
仮排水路や立坑が現在も現役で使われているという事はもう飛び跳ねたい位の感動です。
「それとー とってもー 気になっている物があるんですけどー」
「はい。どこですか」
「非常用洪水吐の越流部の横に一段下がって不思議なゲートがありますがあれって・・」
「“第二”の事ですね。あれはドラムゲートなんですよ」
「ドラムゲートっ!ドラムだったんですかぁっ!」
「空気の力で浮き上がる仕組みです」
「わ、私も沖縄県の福地ダムでしか本物見たことないんですが。
あ、もちろん建設当時からの物ですよね」
「はい。取り換えたりはしておりません」
「うわ!それってもしかして国内初ドラムゲートの可能性があるってことですよね♪
御母衣以前にドラムゲートが採用とかあんまり考えられませんよねっ」
「うーん・・さすがにちょっとそこまでは」
「だってだってだって御母衣は当時の国内の最高の技術力の結集したダムだからー
ゲート一つでも考えられる最高の物が選ばれているはずー
珍しいドラムゲートが採用されたって事はー それでなくてはならなかった理由があるはずー」
と、ここら辺でもう完全に頭ねじがぶっ飛んで手がつけられないくらいの興奮状態。
「でも今は使わないように操作することになっているんですよ」
「・・・流塵対策ですか」
「はい。流木・流塵対策です。クレスト放流するとどうしても流木が出てしまうので」
「去年もお盆前に放流したと下の関西電力さんのダムでお聞きしたんですが」
「“第一”からです。常用洪水吐からですのでスキージャンプからではないのです」
「クレスト放流しないように操作されているって・・・あんなにカッコイイスキージャンプが使われないなんて
なんか・・・すごく悲しいですね。カッコいいのに。めちゃくちゃカッコいいのに」
御母衣のカッコいい洪水吐がもう使われないなんて
これはかなりショック。
でも流木という物が下流でどれだけ被害を出すかは知っています。
流木、流塵は橋の橋脚に引っ掛かり、水の流れるスペースを殺し
上流水位を上げてしまいます。
時には落橋につながることだってありますし洪水被害を拡大することもあります。
昭和30年代に造られた名堤体がゲートにフラッシュボードを持っていても
どんなにカッコいいゲートでもそれはもう使われることはないのです。
それと同じです。

館長様にいっぱいお話を伺った後、堤体を愛でに出発です。
今日は工事の関係でダム貯水位を下げていて30m近く低くなっているという事なので
堤体をしっかり見るにはうってつけ♪の日でした。

道路を渡って御母衣ダムの名碑と堤体。

開閉所への道を進みます。
この先にゲートがあるのでそこから先は勿論関係者以外立ち入り禁止ですが
その手前までなら徒歩で行ってもよいとの事でとことこ歩きます。