真立ダム 見学 その6

右岸のダム湖側から。
人から隔絶されているためにとても水が綺麗でした。
凸の形をしています。
総貯水量は26.000m3。
本当にとても小さなダム湖です。

今まで見たダム湖の中で一番小さなダム湖です。

左岸にある除塵設備か流木除去設備のようなコンベアの下に
こんなスリットが設けられています。
真川ではこの向きではなく天端の延長線上にありました。
左岸下流側に勢いよく水路から流れ出しているところがあったので
このスリットもある程度水位が上がったら余水吐として機能するのではと思われます。
一番気になっていたこの余水吐についてもお聞きしたところ
余水吐であるがこれを使うことのないように発電所の運転しているので
通常、使われることはないとの事でした。
もし、降雨で水位が上がった時には余水吐きとして働き
少し下流側の吐口に導水され、谷に放流されることになっています。

右岸のちょっと高いところから天端を見下ろしたところ。
バットレスを感じられる素敵な眺望。

薄いコンクリートの壁一枚。
それを支える扶壁構造。

雪深い場所に
バットレスの大敵である凍害が深刻な場所に
昭和4年(1929年)に過酷な環境に造られました。
この堤体が作られてもう78年目です。
重力式を作るためにはセメントの価格が高すぎた時代がありました。
アーチは岩盤を選びます。
中空重力式を作る技術が国内で確立されたのはずっと後の昭和37年(1958年)です。
時代がこの場所にこの型式のダムを選ばせました。
そしてそのダムは大事に大事に使われています。

道中、あちこちで見かけた境界標には『北電』の文字がありました。
陸電と呼ぶかどうかいつも迷うのですがこれを見るとやっぱり
北陸電力は「北電」と呼びたくなります。

国内屈指の急勾配河川、常願寺川水系・小口川の最深部。
そこにひっそりとたたずむ真立ダム。
その姿はとても儚げでした。
力強さを感じませんでした。
真川ダムと同じくとても華奢で美しい、働くコンクリート建造物でした。
ロックフィルの持つ圧倒的な安定感
重力式の持つ威圧的なまでの存在感
アーチ式の持つ見るものに畏怖の念を抱かせる迫力
真立ダムにそれらはありません。
ただ、静かに自分の仕事をしているだけですと
ただ、ただ、控え目に
小さなダム湖を抱えてしっかりと立ち続けている堤体でした。
2008年8月に行われた有峰森林文化村祭の会場で常願寺電力部の方に
レポート内の誤記を教えていただき、詳細説明を加えて修正しました。
常願寺電力部の皆様、本当にありがとうございました。 (2008/8/12追記)