間歩谷ダム 見学 その1

2007/4/14 更新

ダムというとまず水を溜めるダムが思い浮かびます。
水を利用する発電・利水ダム
水を一時的にくい止める治水ダム
水を溜める為に適した形になっています。

砂や岩、土砂をくい止めるダムは砂防ダムになります。
白岩砂防ダムや足尾砂防ダムのように巨大なものもありますが
多くは地図でもダムとして記載されないほどのサイズがほとんどです。

また、鉱山などでは採掘した鉱石から必要な鉱物を取り出した後に残る
廃滓や堆積物をためる為にダムを作る場合があります。
これを鉱滓堆積ダム(テーリングダム)といいます。


鉱山施設の見学を続けていて鉱滓堆積ダムの取材を詳しくしていなかったので
取り上げてみようと思い、通いなれた兵庫県朝来市にやってきました。


兵庫県朝来市にある神子畑選鉱場跡の横にある間歩谷ダム。
地図でもダムと書かれていますがこれは鉱滓堆積ダムです。


撤去されて二度目の春を迎えた神子畑選鉱場です。
桜が咲き誇っていました。


鉄工所のあった場所はこんなに奇麗な広場に改修されていました。
見事な枝ぶりの桜が残され四阿も作られました。
道の駅あさごに展示してある一円電車の車両を受け入れる準備ができました。

広場に走るレールやポイント。
見上げるとインクラインが真正面に。

観光ポイントとしてこんなに奇麗に整備が進められるとは撤去された当時は思いもしませんでした。


でも桜が今年も美しく咲いているのに
あの大屋根はもうありません。

東洋一といわれたあの選鉱場はもう無いのです。

観光バスが来るようになり
駐車場も整備され
立て直されたムーセ旧居は美しく
何もかもが新しく眩しくて

あの大屋根を思い出させるものがどんどんこの場所から消えていくのは悲しいです。


選鉱場の前を過ぎて神子畑小学校跡まで来ました。
ここはあまり変わっていません。
校庭の遊動円木もブランコも。

間歩谷ダムはこの小学校の少し西側にあるのです。


神子畑小学校の校庭から間歩谷ダムを見上げることができます。
砂利の斜面。
ロックフィルとは違います。


ここも鉱山の関連施設なので立ち入り禁止の注意書きがあります。
『発砲注意』の看板にビビりますが何年も通っていても
散弾の空薬莢を見たことがある程度で猟に遭遇したことはありません。