知られざる熊野のダム展 その3


そしてモニターで流れるのは電発様のダム写真と建設時写真。


見始めたら時間が経つのを忘れるくらい
貴重な写真がスライドショーで流れるので
しばらくここで座って鑑賞。


この展覧会のリーフレットにも使われている
摺子発電所の古写真です。

七色ダムのダム湖に発電所建屋が沈み
水位によっては姿を現すという事で
廃墟マニアには超有名な摺子発電所。
当然立ち入り禁止ですが七色ダムはバス釣りのメッカなので
ボートで近づく人が絶えない。


この写真の情報量がものすごい。
馬蹄型トンネルから出てくる筏。
「筏流口」と書かれています。
流筏路です。
傘をさした人がいっぱいに並んでいます。
巨大な水圧鉄管も見えます。
うううう。
絵ハガキにして販売してほしい…(二回目)。


そして熊野で歴史ある発電所の紹介です。
大里発電所。
なんと明治36年運開で現役。
今も流れ込み式、水路式で360kW発電できるんです。


発電事業を開始するにあたり作成された届け出書類です。

最初に大里発電所を作ったのは新宮水力電気会社
>>那智水力発電所と合併、熊野電機会社と改称
>>宇治川電気>>関西配電>>関西電力と管理は代わり
数々の災害を乗り越えて復旧し
現在も元気に発電してくれているのです。


クチスボダムのパネルです。
コンバインダムでレア型式、何よりカタカナ名前なので人気者。
尾鷲第二発電所にお水を送っています。


こちらは銚子川第二発電所の説明です。
現在もしっかり電気を作ってくれています。
管理は中部電力様。
流れ込み式、水路式で最大出力1000kWです。


展覧会のリーフレットでとにかく存在感があったこの水車。

なんと!!
自家製で自家用なんです。

名前は“ししおどし発電水車”

役目がそもそもイノシシ対策。
電気柵に使うための電気を自家製水車で作っていたとか。
もう萌えて萌えてたまらんです。
説明のポスターにはこの形だけではなく
自家製なので色々な形の物があった事も載っています。

この展覧会が終わったら別の博物館に寄贈されることが決まっていて
間近で見られるのは極めて貴重との事。
稼働しているところを想像するとすごく楽しいです。


次は廃止された発電所についての展示です。
このエリアには今は廃止されてしまったけれど
数多くの発電所がありました。

銚子川第一発電所
又口川発電所
摺子発電所
大又発電所
賀田発電所
矢ノ川発電所
横道・平野発電所
が、地図に載っています。


廃止された発電所の一つ、銚子川第一発電所の説明パネルです。
現在残っているのは建物の基礎の石垣とか
コンクリート構造物であるヘッドタンク跡など。


今回の展覧会ですごいのがこの廃止された発電所の調査記録なのです。
もうよくこんなところ探し出して調査されたと驚くばかりです。

そして廃止された発電所にお水を送っていた
廃堰堤も熊野にはいくつも残っているようで
そのメイソンリーフェイシングにうっとり♪
なにこれめっちゃ綺麗♪