河本ダム 見学 その5


管理所のある左岸の少し上流からゲートが見えるところを探しました。
藪になっていたりフェンスや建物が邪魔をして中々良いところがない。
仕方なくフェンス越しに撮影。


小雨が降っていましたがダム湖は静かで綺麗でした。


堤体下流側。

高梁川本川から西に伸びている本郷川と河本ダムのある西川の合流点が目の前です。
ダムの減勢工のすぐ先がもう本郷川で高梁川本川までが1km。
河本ダムは西川の出口に造られているダムでした。

高梁川本川までの間に岡山県の新見発電所があります。
発電所まで河本ダムから送水しています。

水島工業地帯の工業用水の確保
県の電力確保
そして洪水調節

県のダムにしてはかなりの重責だろうというのが印象でした。

発電ダムが洪水調節も担うというのは難しいです。
どちらもできるダムはそれなりの大きさが無いとそれぞれの役割を完遂できないという印象があります。

豊富な水量の高梁川は水島工業地帯の要の河川です。
高梁川が無ければ水島工業地帯の発展はなかったのです。


本郷川と西川の合流点。
堤体と本郷川の間には水の流れがありません。

堤体ができてから西川の水は本郷川の水と交わることなく
高梁川本川に発電所を経て出て行くことになったのが見てとれます。

ここに水が流れるのはハウエルバンガーバルブかクレストゲートが開いた時だけです。

洪水期にはどのくらいの頻度で活躍するのでしょう。
クレストゲートはどのくらいの頻度で開けられているのでしょう。

古い情報ではサーチャージ水位と常時満水位が同じだったのですが
最新であろう岡山県・高梁川ダム統合管理事務所の河本ダムの紹介ページでは
洪水調節の為に洪水期には制限水位が設定されると書かれていて納得できました。

利水と治水と発電を役割に持っている多目的ダム。


中空重力式であることの特異性より
サイズの割に仕事が多すぎるんじゃないかと
健気さを感じてしまった河本ダムでした。

 


中空重力式なんですが


堤高60mならこの位ちっちゃくても大丈夫ってことなんでしょうか
横山や井川神殿、畑薙兄弟の換気孔はでっかかったんですが。

熊谷組の作っている他の中空重力式も換気孔がちっちゃくて
間組の作った中空重力式は換気孔がでっかい気がします。

単に間組の作った中空重力式堤体がでかいというだけのことなのか
偶然なのか大変気になります。