転石ダム 見学 その3


蓋がなくなっているところもありましたが残っているところもあります。
残っている蓋にはしっかり海軍さんの碇マークがありました。


右岸の端までやってきました。
アバットメントはもうすっかり里山のようになっていて木が茂っています。


ちょっと貯水池側に移動して取水塔を見たところです。


ホントに綺麗でお洒落な天端。
高さがそろっているってこんなに綺麗なんだなと見とれてしまう。


洪水吐の幅の分だけ岸から離れている左岸と違って
山に接続している右岸天端には山からの蔓植物の侵略が激しいです。

石積、コンクリートブロック積によろしくないので刈らねば。


天端から下りてきました。
堤体の右岸側の端は目に入るのがこのように垂直の壁だけなので
違和感たっぷりです。


谷底のいちばん深いところまで下ってきました。


垂直な首部の下に控え目に広がる堤体は本当に個性的です。


取水塔から伸びる底樋のドアも開けて頂きました。


うわぉ!!

もっと湿っぽくて
もっと虫と草と苔だらけで
鉄バクテリアなんか繁殖している底樋をたくさん見てきたせいで
こんなにドライで綺麗な施工で築90年以上のダムがあることにびっくりです。

管理が良いのは勿論元々の施工がよほどよくないと
こんなにきれいに残るとは思えません。

転石ダム、すごい!!


堤体にすりすりして眺めるコンクリートブロック。


敷地内に真新しい説明板が立っていました。
なんと日本遺産です。

〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜 横須賀・呉・佐世保・舞鶴

鎮守府遺産。

佐世保市のHPで日本遺産のページがありますので
そこを見ていただけたら原版が載っていますので読むことができます。


転石ダムの説明文です。英語も併記。

“1928年に海軍水道第三次拡張により完成”

“佐世保無線電信所(針尾送信所)を設計した海軍技師吉田直により設計”

なるほど。
なので個性的なのか。
civile ngineerでなくmilitary engineerだから設計が特殊なのか。
吉村長策技師は監督的な役目だったのか。


空撮写真で見るとコンパクトな貯水池であることが分かります。
元々作りたかったダム候補地の貯水量から考えると
4割くらいの容量になるわけですね。


国内のメイソンリーフェイシングダムの中でもそのデザインで異彩を放つ転石ダム。

急増する水需要に応える為に生まれた工期短縮を可能にしたデザイン。

転石ダムの築造についてもっと詳しいエピソードが知りたいという方は
是非、川崎先生の『日本のダム美』を読んでくださったらと思います。

という事で転石ダムの素敵な姿を後にして次の訪問地である
相当ダムに向かったのでした。