小森ダム 見学 その2

小森ダムの上流側というか
シンプルにゲートピアとゲートしか見えていなかった訪問の後
下流側から、チラ見できるところが道路側に一か所あるというのは
確認していましたがよい写真が撮れず
そのままレポートは書かずにHDの肥やしになっていました。

2017年の春、別のダムについて文献を調べるために
奈良県図書情報館に行った時のことです。


1955年、十津川村が出した『十津川の栞』という冊子の裏表紙に
こんな凄い図が載っていました。

この時代、新宮川水系の北山川、十津川は
水力発電用のダム建設で大変にぎわったのですが
当時の計画を見ると、なによりまず、とてつもない規模ですし
見たことも聞いたこともないダム名が記された計画がたくさん出てきます。


現在の新宮川水系のでんぱつ様のダムはこれだけあります。
十津川の風屋ダム、奥里ダム、二津野ダム。
北山川の坂本ダム、池原ダム、七色ダム、小森ダム。


『十津川の栞』の図には小森ダムの名前はありません。
聞いたことのない神護ダム、葛川ダム、木津呂ダム
というダム名が書かれていました。

ダム名は違っていますが
計画場所はすぐ特定できました。
観光名所・瀞八丁の文字があったからです。


DamMapsで小森ダムの下流の瀞八丁を中心に表示して
『十津川の栞』に乗っていた図と比べてみました。

ちなみに紫色に見える破線が県境で北山川と一致しています。
この辺りはホントにどうなっているんだ
というくらい深いV字谷で物凄く蛇行しているのです。


地理院地図で見ると発電所と葛川ダムが計画されていたのはこの辺り。
地名は田戸。


そして小森ダムのすぐ下流に“ジゴ”という地名があるようです。
これは計画に書かれていた神護ダムの由来でしょうか。