小匠ダム 見学 その6

堤体の傾斜に合わせて少し斜めに付けられているスルースゲートのハンドル。
これが堤体に通る隧道のゲートです。

そして天端に付けられていた放流サイレン。
まさかこういう所に設置されているとは予想外。
ダムに到着する前に、いくつかサイレン吹鳴のお知らせ看板がありました。

洪水吐ゲートの上部分はこのように下流側に天端が張り出しています。
そして
下からじーーーっと見つめて気になっていた物。

巻上機に挟まれた建屋の壁にあるこのプレートです。

小匠ダムの諸元がこんなに詳しく書かれたプレートがここにあったのです。
昭和25年度工事着手
昭和33年度竣工という書き方に微妙なものを感じます。
年度なんですね。
3月竣工とかになるとこういう書き方になるのかな。
建設を請け負ったのは別子建設。
ダム便覧では住友建設と書かれていますがこれは同じ会社です。
堤高:35.90m
堤頂長:137.0m
ダムとしては凄く大きなものではないですね。
でも谷間にそびえている姿は中々立派で重厚で
もっと大きなダムじゃないのかという印象を受けるのですが。
実際、昭和33年という時代から考えると県の事業で
これだけのダムを造るのは大変だったと思います。
堤頂標高:58.0m
他のダムの説明板ではあまり書かれていないデータです。
小匠ダムは人里離れた山の奥にある印象ですが海から約13kmと近く
標高もそんなに高くないのです。
集水域が広いので水量は半端ないですが。
放水門
調節樋門 底部樋管式: 4.5m×4.5m ローラーゲート 2門
余水吐樋門:溢流式 4.5m×4.5m ローラーゲート 2門
両者総合非常時最大放流能力 1,150m3/sec(確率300年)
鋼製ゲートが設置されているゲートについて書かれています。
私が非常用洪水吐だと思っているゲートレスのクレストゲートについては書かれていません。
洪水時にだけ頑張るダムですから普段から川の水は入る分だけ
そのまま下流に流す仕組みです。
なので堤体の下、ダム湖の底の高さで作られた樋門から流すのです。
そして川の流れをそのままにという事ですから
上流から来る砂礫もそのまま流れていきますし
この底部樋管には魚道が付けられていているので水棲生物の移動も
ごく普通に行われているようです。
そして最大放流能力が 1,150m3/sec(確率300年) とあります。
小匠川の安全許容洪水量は230m3/sec
調節可能 計画最大洪水量は730m3/sec
ゲート操作の順番などは分からないので放流の様子は想像の世界。
洪水調節のダムなのに洪水吐でなく余水吐という利水ダムっぽい書き方があったり
放水門の説明中に放流能力という単語ができたりしますが
つまりこれらはそれぞれ同じものだという事です。
其他の樋門
道路隧道 制水樋門: 3.0m×3.0m スルースゲート1門
取水樋門: 径600mm スルースゲート1門
堤体に通っている隧道を塞ぐゲートのスペックもこのように。
左岸に走る水路の取水ゲートも書かれています。

どのゲートが何かを示すとこうなります。
一つずつが個性的で凄く見ていて楽しい。

副ダムに仕切られた減勢池は無いんですが
放流した時の水流を安定させるための導流壁が河底に設置されています。
これで底部樋管からと余水吐からの放流の水の流れを分けているあたりに
両方開ける事態を考慮しているんだな〜と感じます。
ここは余水吐と底部樋管をずらして設置しているので
両方を開けてもお互い干渉はしないかなと思うのですが
放流量が増えたら余水吐からの放流が底部樋管の放流を妨げる可能性があります。
そういう時にこの河底導流壁は効果を発揮する・・・はず。
素人の考えなのであまり信用しないでください。