菊池川堰堤群 その2


除塵機の上の段に上がらせていただきました。

写真で奥に見えているのが渡ってきた橋です。


堰堤は川の流れに対して直角に設けられているのですが
右岸側に滑らかなカーブが造られています。


下流側を見ると全く自然な渓谷で
コンクリートに置き換えられたりしている部分はありません。

そもそもこの堰堤がとてもとても可愛らしいサイズですし。


堰堤の右岸側の端が岸にくっついていないように見えたので
覗き込むと水路になっていました。


「これは…排砂路ですか?」
「はい」
「排砂路装備のメイソンリーフェイシングのローダム!」


右岸側で堰堤が滑らかカーブで曲がっていたのは
取水口と排砂路を形成していたからだったのです。


綺麗だっ…実に無駄なく美しい…
合理的な設計思想。


そして堤体を覆う苔がとにかくお洒落。
出水のときにはそれなりに流れてしまうと思うけど。


堤高が低いのでそんなに堤体積なくても安定している感じ。
コンパクトにまとまっています。

スペックをお聞きしたところ
堤高:7.0m
堤頂長:39.00m
だそうです。

かーわーいーいー♪


エプロンと渓谷の岩盤の接続部。

堤体の石はそんなに摩耗していないのに渓谷の河床の方が
少し深く掘られたようになっています。
じーっと見るとそこには丸くなった大石と砂が見えました。

多分この河床は熊本や大分でよく見られる
節理が発達した場所なのではないかと思います。
菊池川の上流から流れ来る土砂が堰堤の落差で勢いがつき
節理の間に入って少しずつ削って
直下に自然プールを形成してしまったのかと。

普通、堰堤の安定性を考えればエプロンと河床の高さは
揃えるのが当然だと思うので。


そう考えると堰堤の表面の石は
相当、良い石を選んでいるのだなという事が読み取れます。


しかしこの取水口と排砂路を形成する部分、ほんとに素敵だなぁ♪